櫛ヶ浜の家、家揚げ準備

櫛ヶ浜の家で既存家屋の家揚げの準備が始まりました。
コンクリートのベタ基礎を打設するため、一旦床板を取り外します。
 
既存の床下地は、土台も根太もみんな丸太材です。
工業化や規格化が進む前の家の作りは実に臨機応変、
100年の時代の変化を感じます。
 
 

お茶会、大津島にて

大津島の石柱庵で徳山高専茶道部のお茶会が行われました。
天気予報がはずれてくれたおかげで日差しに恵まれ、
とてもうららかな春のお茶会になりました。
 
 
 
 
小間に飾られたツバキ。
四日市からはるばる駆けつけてくれた内田鋼一さん、
民家の庭に転がっていた割れた焼き物をアレンジして生けてくれました。
 
 
 
 
こちらは立礼席の花入
徳山高専の土木建築学科の学生がコンペのスタディ用につくった模型をアレンジ。
荒い壁や石の柱とのコントラストが面白い取り合わせになっています。
 
 
 
 
昨年に続き、徳山高専茶道部の学生さんによるお点前。
澄んだ空気の静かな空間で清々しいお点前でした。
 
 
 
 
お茶会のあと、本浦地区へ。
連合自治会長の安達さんの案内で石の神社を見学してきました。
海に向かう鳥居も御影石でできています。
 
 
 
 
石の神社!
庇を支える左右一対の柱は、どことなく古代のオーダーを連想させます。
それもギリシャ様式というよりはロマネスクのような素朴さですが
瀬戸内の離島に和洋折衷のデザインが存在していたとは驚きです。
 
 
 
 
欄干のあしらわれた菱形も和の様式というより、モダンな感じ。
 
 
 
 
階段下の土間にはモザイクタイル!
海を通じた文化の交流といえば、地中海。
 
まさか地中海から伝わったとは考えにくいですが
瀬戸内海に地中海文明が重なって見えてくる不思議な様子です。
 
 
 
 
神社の近くにある石風呂(中を覗き込む内田さん)
それにしてもなんという独特な造形でしょう!
 
 
 
 
内部は野面の石積み。
積み上げた石のてっぺんに大石で蓋をすることで構造的に安定させる
ドームのような作りになっています。
 
 
 
 
「今でも現役で使っているよ」と安達さん。
 
なんでも、あの重源が東大寺再建のため、
徳地で木材を切り出した人夫の保養のためつくったのが起源なんだそうです。
その石風呂がこの大津島に伝えられ、湯治場としてつくられたそうです。
 
瀬戸内海に浮かぶ大津島、
海という情報インフラが古来から長い時間をかけていろいろなものをこの島に伝え
終着点として特有の文化が醸成されてきたのかもしれません。
 
時は過ぎ、平成の今、人口減少の進む島にJKによる新たな息吹が芽生えています。
あしがらず(笑)
 
 
 
 

大津島桜茶会

大津島の石柱庵で桜のお茶会が行われます。
 
ようやく春めいてきた今日このごろ、
大津島ののどかな自然に包まれて、春の気配を感じながら、
穏やかなひと時をお過ごしいただけます。
 
日時:3月26日(日) 10:30〜15:40
場所:周南市大津島近江地区 石柱庵にて
 
徳山高専茶道部の学生さんのお点前で、お薄をいただきます。
※雨天の場合は、待合にてお茶を差し上げます。
 
詳しくは、徳山高専茶道部のサイトにてご確認ください。
 
 
 
 
 

虹ケ浜の家、配筋検査

虹ケ浜の家で基礎工事が始まりました。
「土用」の関係で、立春以降、基礎屋さんの段取りが滞っていましたが
ようやく工事が進み始めました。
 
昨日は当事務所の配筋検査と瑕疵保険の検査が行われました。
 
 
 
 
整然とした配筋で、継手長さ(鉄筋継ぎ足し部の重なり長さ)も十分。
立ち上り筋のフック付は、当事務所の標準です。
 
 
 
 
排水管の基礎貫通キットもご予算が許す限り、設置しています。
これにより、将来の点検補修の際、コンクリートを傷めずに行うことができます。
 
 

思い起こす

東日本大震災から今日で6年、
この長い時間のなかで、少しずつですが、まちや建物の復興が進み、
目に見えるかたちが現れてきました。
 
「かたち」あるものはいつか壊れ、
壊れたものはまた新たな「かたち」に生まれ変わっていきます。
 
その一方で、
「かたち」をもたない、人の「こころ」はどのように変わっていったのか?
 
人間は忘れやすい生き物と言われます。
 
あの時思ったことを改めて思い起こし、それぞれの思いで未来に生かす。
そのための大切な日でもあります。
 
 
 
 

普遍性と地域性

建築界のノーベル賞と言われるプリツカー賞、
今年はスペインの3人のユニット、RCRアーキテクツに決まりました。
 
幾何学的でモダンなデザイン要素を使いながらも地域との対話を重視したり、
ランドスケープを深く吟味して周囲の自然環境を生かすデザインなど、
一見地味ですが、とても深みのあるデザインです。
 
 
 
 
トソル−バジル競技場では、トラックの中に既存樹木を残しています。
一見、なんでもないようなデザインですが、よく考えると実に大胆!
でも、スポーツと自然が見事に融合していて、とても気持ちよさそうです。
 
審査員のコメントにもありますが、
グローバリズムで疲弊する地域に対して真摯に向き合うその姿勢、
相反する普遍性と地域性の融合を図ろうとするデザインは、
建築という枠を超えて、この時代に多くの示唆を与えてくれそうです。