大津島の石柱庵で徳山高専茶道部のお茶会が行われました。
天気予報がはずれてくれたおかげで日差しに恵まれ、
とてもうららかな春のお茶会になりました。
小間に飾られたツバキ。
四日市からはるばる駆けつけてくれた内田鋼一さん、
民家の庭に転がっていた割れた焼き物をアレンジして生けてくれました。
こちらは立礼席の花入
徳山高専の土木建築学科の学生がコンペのスタディ用につくった模型をアレンジ。
荒い壁や石の柱とのコントラストが面白い取り合わせになっています。
昨年に続き、徳山高専茶道部の学生さんによるお点前。
澄んだ空気の静かな空間で清々しいお点前でした。
お茶会のあと、本浦地区へ。
連合自治会長の安達さんの案内で石の神社を見学してきました。
海に向かう鳥居も御影石でできています。
石の神社!
庇を支える左右一対の柱は、どことなく古代のオーダーを連想させます。
それもギリシャ様式というよりはロマネスクのような素朴さですが
瀬戸内の離島に和洋折衷のデザインが存在していたとは驚きです。
欄干のあしらわれた菱形も和の様式というより、モダンな感じ。
階段下の土間にはモザイクタイル!
海を通じた文化の交流といえば、地中海。
まさか地中海から伝わったとは考えにくいですが
瀬戸内海に地中海文明が重なって見えてくる不思議な様子です。
神社の近くにある石風呂(中を覗き込む内田さん)
それにしてもなんという独特な造形でしょう!
内部は野面の石積み。
積み上げた石のてっぺんに大石で蓋をすることで構造的に安定させる
ドームのような作りになっています。
「今でも現役で使っているよ」と安達さん。
なんでも、あの重源が東大寺再建のため、
徳地で木材を切り出した人夫の保養のためつくったのが起源なんだそうです。
その石風呂がこの大津島に伝えられ、湯治場としてつくられたそうです。
瀬戸内海に浮かぶ大津島、
海という情報インフラが古来から長い時間をかけていろいろなものをこの島に伝え
終着点として特有の文化が醸成されてきたのかもしれません。
時は過ぎ、平成の今、人口減少の進む島にJKによる新たな息吹が芽生えています。
あしがらず(笑)