湯野温浴施設 木工事進行中

湯野の温浴施設は絶賛、大工工事が進行中
年明けから始まる浴室の左官工事に間に合わせるため
浴室の工事が佳境を迎えています。
 
 
 
 
 
 
「月」という名の貸切風呂では
8畳ほどの空間に大工さん2名で防水シートと胴縁の取付中
 
 
 
 
 
 
天窓から差し込む光
 
北向きの風呂の室内はあえて閉鎖的で暗めにして
天窓からの光が印象的な空間になるよう設計しています。
 
 
 
 
 
 
もう一つの貸切風呂 「壺」
こちらは庭に繋がる半露天にもできる開放的な浴室
 
2つの円が重なるようなかたちの浴槽は
茶道裏千家で使われるツボツボ文様から引用されています。
 
 
 
 
 
 
2つの貸切風呂に使われる壁と天井の杉板
 
黒く着色されたほうは「月」の壁・天井用
生地仕上げの方は「壺」の天井用
 
もともとは予算の都合で節のある板を使うはずだったのですが
材料手配の都合で、節のない上物が入ってきました。
 
いずれもとても綺麗な表情です。
 
 
 
 
 
 
今年の工事は今日が仕事納め
工期が短い中、怒涛の勢いでここまで進んできましたが
年が開けると、さらにボルテージが上がっていきます。
 
自分の仕事として、これまでにない厳しいスケジュールですが
それでも、この場所の個性が少しでも引き出されるように
そして、時間を忘れてしまうような心地よい場所になるよう
引き続き取り組んでいきます。
 
 
 

湯野温浴施設 造作工事進行中

水平に伸びる屋根の軒先
軽ワゴンの長さがおよそ3.4mなので
かなり横長のプロポーションであるのががわかります。
 
棟上げが終わり、屋根工事や室内の造作工事が始まっています。
建物が仕上がれば見えなくなってしまうものばかりですが
実は建物の性能を左右するとても大事な工事です。
 
ここでしっかりチェックが建物の寿命にも関係するため
現場とコミュニケーションしながら、チェックしていきます。
 
 
 
 
 
 
屋根下地の防水用ルーフィング
素材の確認やシートの重ね代、傷がないかなどチェックを行います。
 
 
 
 
 
 
軒先の唐草(先端の板金材)とルーフィングの取合い
 
雨は基本的に上から下に流れるので
部材は下から上へ重ねていきます。
 
なので、唐草が下になり、ルーフィングがその上に重なります。
たまに唐草が上に取り付けてあるのを見かけることもありますが
基本はこの写真のようになるべきではないかと思っています。
 
 
 
 
 
 
垂木と垂木の間には断熱材が充填され、
その上には30ミリの通気用の空間を確保、当事務所の標準納まりです。
 
経験的にもこの隙間を設けることで
屋根からの暑さをかなり軽減することができます。
 
 
 
 
 
 
通気用の隙間は屋根全面に設けられており
このあと穴の空いた面戸板をかぶせて仕上げていきます。
 
 
 
 
 
 
耐震性をしっかり確保するための金物が取付けられた段階で
構造事務所の金物検査を行いました。
 
今回、梁と柱の接合部が表しになる箇所が多いため
接合部がすっきり見える金物工法を採用しています。
 
写真の部分は壁に隠れますが、
梁と梁をつなぐ接合金物、柱と梁を固定する接合金物など
構造図の仕様と合致しているか照合していきます。
 
 
 
 
 
 
こちらは柱の足元に取付けた引き寄せ金物
地震時には、特に建物の出隅部分に大きな引き抜き力がかかるので
強度のある金物でしっかり補強します。
 
 
 
 
 
 
建物玄関側から受付となる空間を見たところ
 
天井は貼らずに梁や構造用合板がそのまま表しになるため
屋根を仕上げる前に照明器具などの配線が設計図通りの位置に
確実に配線されているかどうか、1箇所1箇所確認します。
 
 
 
 
 
 
カフェ兼ラウンジ部分
 
庭に面するこの部分も今見える木材がほとんど表しになります。
ここに木製建具がはまって開放的な空間になる予定です。
 
 
 
 
 
 
円形の浴槽がある貸切風呂
 
土間の防水や壁の耐力壁、仕上げ材を貼るための下地材など
少しずつ、形が整ってきました。
 
外に見える青い柱は目隠し壁の下地となるもので
浴室から庭越しに湯野の山並みや空が望める予定です。
 
 

湯野温浴施設 建方工事

湯野温浴施設では、建て方工事が始まりました。
空に伸びるクレーン車のアーム、周囲に響く乾いた木槌の音。
建築をつくるライブ感があふれていて、何度見てもワクワクします。
 
それと同時に、
模型やパースで検討してきた形や環境とのバランスなど
イメージ通りにできているか、ドキドキする瞬間でもあります。
 
 
 
 
 
 
こちらはカフェも兼ねたロビー空間
 
910ミリピッチで連続する登り梁は
そのまま仕上げとして空間に表情を与えます。
 
 
 
 
 
 
庭に面した軒下空間
2m近く伸びた屋根が室内と庭を緩やかにつなぎます。
 
アプローチとなるこちらの空間でも
25mの奥行き全面に整然と垂木が並び、空間にリズム感を与えます。
 
 
 
 
 
 
今回の建て方では天候が安定していないため
天気予報を睨みながらの工事になりました。
 
この日も午後から雨が降り出したので
現しの木材が雨に濡れないよう急いでシートで覆ってもらいましたが
その白いシートが光を拡散し、なんとも風情ある軒下空間が現れました。
 
 

湯野温浴施設 基礎工事進行中

湯野温浴施設は11月初めから工事がスタート、
来年3月の完成を目指して、急ピッチで工事が進んでいます。
 
中央にそびえる松の大樹をはさんで
左手の既存大浴場はリニューアル工事が進行中、
右手の新築棟はわずかに基礎の型枠が垣間見られます。
 
 
 
 
 
 
新築棟の基礎鉄筋工事
横幅26mの細長い平面に対し、
3.6mグリットで地中梁が組まれて地盤の圧力に対応しています。
 
 
 
 
 
 
貸切風呂の円形浴槽
1.4mの円形を二つ重ね合わせたような浴槽のため
曲面の型枠で正確に型を起こしています。
 
 
 
 
 
 
こちらは軒下に設けられた足湯の型枠
 
設計期間がかなり短かったため、
幅や深さ、軒下の柱との取合いなど、細かい寸法を改めてチェックしなおし
現場にて施工業者と調整しながらひとつひとつ形をまとめてきました。
 
 
 
 
 
 
床のコンクリートが打ち上がったところ
 
デザイン上、基礎はできるだけ低く抑えたいところですが
土砂災害なども想定し、床は地面から30センチ立ち上げ
床下のない土間仕上で、万が一の災害後も修繕の負担が軽減されるよう配慮しています。
 
 
 
 
 
 
円形の浴槽もきれいに打ち上がりました。
 
二つの円形は深さが2段に分かれていて
庭側が全身浴、手前に半身浴ができる形になっています。
 
半露天の庭や空とつながる空間で
ゆったりと過ごせる時間をイメージしています。
 
工事が始まってあっという間の1ヶ月でしたが
来週にはいよいよ骨組みの建て方が始まる予定です。