築60年以上になる木造の家をリノベーションする計画で実測調査を行いました。
写真は、家の中心にある二間続きの和室と内縁
内縁からつながる庭への開放感が気持ちのいい空間です。
9mくらいある長い内縁
室内と庭をつなぐ心地よい中間領域となっています。
実測調査とともに、床下の劣化状況がないかをチェック。
やや湿気のあるものの、修繕された形跡があり、まずまず良好な状態です。
正面には二間続きの和室、右に内縁と南庭、
左側は中廊下とその先にはもう一つの和室があり
部屋と部屋がゆるやかにつながる空間に特徴があります。
南側の和室から中廊下と北側の和室を見たところ
こちらも一直線に光と風が抜けていく気持ちの良い空間です。
こちらも9m近くある中廊下
中廊下に面した和室はすべて建具で開放可能になっているおかげで
廊下がただの通路ではなく、部屋と部屋をつなぐ役目となっています。
南側の内縁と中廊下は一周できるようにつながっており
さらに各部屋ごとにも行き来が可能なため、
多様な回遊性をもった、行き止まりのない自由度の高い空間です。
リノベーションのポイントになりそうなダイニングルーム
キッチンも含めて18畳のワンルーム空間は、ものを整理すれば広々とした空間になりそうです。
ダイニングルーム脇のスペースは洋小屋が現しになっていました。
ダイニングルームも天井を取り払うとダイナミックな空間になりそうです。
長く使われてきた家には、ただ古いだけではなく
くらしの記憶や思い出、愛着や懐かしさが詰まっています。
それらは形があったり、なかったりしますが
そこに暮らす人にとって大切な価値があるものです。
リノベーションにあたっては
残すものと新しくするものをどのように選択していくか、
そして、既存の空間と現代のライフスタイルをどのように融合させていくか、
そのさじ加減が重要になります。
それらのポイントを押さえつつ、
この家にしかない唯一無二の個性を引き出せるよう、これからプランを練っていきます。
2024.4.24 設計事務所 TIME