ヘリテージマネージャー講座、長門編の1

先週の土曜日に行われたHM講座、
今回は長門市の日置地区の旧家と湯本温泉のエリアリノベーションを視察。
 
午前中は日置地区の旧家を視察、
大正末期に建てられた建物でかなり古いですが、
そこに刻まれたデザインや仕事ぶりから
当時つくった人たちの意気込みを感じ取っていきます。
 
まず最初に見学したのは江戸時代から呉服屋を営んでいた中野家本店の別荘。
敷地には事務所、別宅、離れの浴室の3棟が残っています。
写真は道沿いに建つ洋館の事務所です。
 
 
 
 
道に対し、45度に隅切りされた入口部分。
入口上部には一際目を引く丸い庇が突き出しています。
 
丸い庇の幕板部分には同じく円形の装飾がはめ込まれ
日本建築にはなかった新しいデザイン要素が積極的に使われています。
 
 
 
 
 
 
モールディングの窓枠に縦長の窓。
ちなみに窓枠のモールディングは石ではなく、木を加工して作られています。
窓の桟割りも複雑で、かなり練りこんでデザインされたことが感じられます。
 
 
 
 
 
屋根下には稲妻型の軒蛇腹もつけられ
入口の丸いの庇と対をなすデザインとなっています。
 
これら外観の意匠を見るだけでも
当時新たに入ってきた西洋の様式を積極的に取り入れようとした
デザインに対する意気込みが強く感じられます。
 
文化の中心でなかったこの地方にあって
突然現れたこの洋館は大正末期の当時としては
かなり斬新な風景として見えていたことでしょう。