これぞ「陰翳礼讃」という空間
日下部民藝館、表通り沿いの座敷です。 格子と障子による二重のフィルターを透過した弱い光が拡散するデリケートな空間です。現代のような隅々まで光で満たされた空間と違い、広さも距離感も捉えきれないほど曖昧です。視覚的な情報が抑制されることによって生まれる精神性の高い空間がここにはあります。
中庭からの日差しが差し込む座敷
こちらもほの暗い空間ながら、中庭に繁る木々を通り抜けたわずかな光がガラスを透過して宝石のように輝き、闇のような座敷に奇跡的な瞬間が現れています。
闇が存在することで生まれる光のドラマ 現代社会が忘れかけている静かで深く心を打つ美がここには息づいています。
2024.10.4 設計事務所 TIME