岡山県天神山文化プラザ
こちらも作品の展示会場になっています。
建物の設計はル・コルビュジエの弟子でもある前川國男。
現代アートもさることながら、この建築にもパワーがあります。
現代のように、石やガラス、金属パネルなど仕上材の選択肢が少ない時代に
コンクリートの打放しだけによる見事なまでのデザインと施工精度です。
コンクリートの量塊を水平、垂直に分割してメリハリをつけ
壁の奥行きを深くとって陰影のある表情豊かな姿に仕立てています。
コンクリートとは思えないほどの細い壁、
そのエッジは剃刀のようにとんがってシャープな姿を見せていて
建築家の表現にかける思いの厳しさが伝わってきます。
入口部分のピロティ空間
黄色に塗られた天井に目が行きますが
よく見ると天井のボードの割付にも工夫が見られます。
床のレンガタイルのパターンといい、漫然とデザインをしていないことがわかります。
建築のあらゆるところで、ひとつたりともおろそかにせず、徹底的に考え抜く。
この建築にて、改めて前川の凄みを感じ入りました。
2016.11.29 設計事務所 TIME