御幸通り、岐山通りフィールドワーク

昨年から建築士会で継続的に行っている景観調査、
今回は周南市のシンボルロードである御幸通りと岐山通りの
フィールドワークを行いました。
 
 
 
 
まずは、市役所前からスタート、
周南市のシンボルとして置かれているモニュメントをチェック。
 
 
 
 
碑文はこのとおり。
自治大臣からも表彰されたんですね。
ここに刻まれているまちづくりを継続し、さらに前に進めたいところです。
 
 
 
 
岐山通りを北上すると、植樹帯の中に石碑を発見。
幕末の禁門の変の責任を問われた長州藩の家老、福原元僴が
幽閉された場所だったそうです。
 
太平洋戦争の空襲とその後の戦後復興でまちの姿は変わりましたが
こんなところに歴史の一端が残されていました。
 
 
 
 
こちらは児玉源太郎生誕の地。(奥には産湯の井戸が再現されています)
最近整備されたものですが、わがまちの英雄のスピリットは
今も消えることなく息づいています。
 
 
 
 
こちらは御幸通りのサイン。
単なる看板ではなく、ちゃんとデザインされています。
このようなサインは残念ながらこの一箇所のみ。
 
 
 
 
徳山高校前にある「ポイ捨て禁止」の看板。
まちの美化を訴えるはずの看板なんでしょうが
これ自体がもはやゴミのようで、かなり切ない(泣)
 
 
 
 
通りに面した建物にもいろいろなサインがありますが
この辺りのサインは、色合いにまずまず調和が見られます。
 
 
 
 
 逆に、このオレンジ色はかなり派手に見えます。
サインは、情報を伝えるために必要なものですが
自分だけが目立つのではなく、まち並みとの調和も大切。
 
サインはその会社の印象をも表します。
さらなるセンスアップを期待したいところです。
 
 
 
 
こちらは(株)トクヤマ敷地内に置かれた自動販売機。
自動販売機自体はあると便利なことは間違いありません。
しかし、その存在はどうしてもまちの美観を損ねます。
 
ましてや、この強烈な赤色はかなりきつい!
赤い羽根募金のものだからなんでしょうが
自己主張だけではなく、まちとの協調性も大事にしてくださいね。
 
 
 
 
 
こちらも暮らしには欠かせないゴミの収集所。
ごみ出しのマナーを守るのは最低限のマナー。
 
でも、そもそもゴミが集まる場所だからこそ
それが目立たないよう、逆にしっかりとしたデザインが必要です。
 
 
 
 
電線地中化された通りに設置された地上機器。
風景の邪魔にならないよう、ダークブラウンの色でカモフラージュされています。
 
 
 
 
通りにはバス停や交通標識など、たくさんの工作物がありますが
せめてフレームやプレートの色をダークブラウンにすれば
だいぶ落ち着いた感じになるでしょう。
 
 
 
 
 
市役所前の花壇。
ボランティアの方が整備されていると聞いたことがありますが
ホースリールが露出されたままになっているのがかなり惜しい。
 
片付けるのが大変なので置いてあるのだと思われますが
花壇が通りを美しくするためのものであるのなら
ホースが見えてしまったのではその美しさが半減してしまいます。
 
せめてホースを隠す木製のボックスなどがあれば美観は保たれます。
そんなに高いものではないので、官民で協力して検討すべきでしょう。
 
 
 
 
 
通りを一通りチェックしてみると、
改めて緑豊かな環境であることがわかります。
 
その一方で、看板や工作物、ゴミ置場や自動販売機など
もう少し気を使って整備すれば、本当に素晴らしい通りになることもわかりました。
 
通りの乱れは、市民力を表します。
現状では、良い通りだけどちょっと惜しい、というのが正直なところ。
 
わがまちのシンボルと位置付けられているこの緑豊かな通り、
市民の本当の誇りになるためには、
行政と市民一体で、さらに高い意識を持って大切に育てていくことが求められます。