台湾庶民の台所のひとつ、雙連朝市
文昌宮という廟を中心に、南北に広がっています。
文昌宮には学問の神様「文昌帝」が祀られており
受験生にも人気のある廟なんだそうです。
活気ある朝市の中に静かな祈りの場が同居しています。
魚や野菜、果物、食料品などが狭い路地の両側に延々と並んでいます。
整然と商品が並ぶスーパーマーケットではけっして味わうことのできない
人と人の距離の近さとリアルな質感があふれています。
朝市や市場は、都市を活性化させる潤滑油のような場、
ドライな現代の都市にこそ、もっとも必要な都市の装置です。
こちらの加工食品、かなりのウェット感が高温多湿の台北の街らしい。
試しに湯葉のようなもので巻いた右のものをゲット、なかなかの美味です。
こちらは台湾版のクレープのよう。
中国語はわからなくても、ジェスチャー付で「これひとつ」と言えば
ちゃんとコミュニケーションは成立します。
オッとその時、一台の車が割って入ってきました。
人であふれるこの狭い路地をわざわざ通るか!?
まるで無法地帯のようですが
いや、これこそが台湾では当たり前のルールなのかもしれません。
誰も騒ぐことなく、平然と車をやり過ごしていく姿に
混沌を柔軟に受け入れていく人間の強さのようなものを感じます。
朝市のそばには地下鉄MRTの駅からつづく公園があり
買ったものをこちらでのんびりといただくこともできます。
そこにはおこぼれにあずかる鳩たちも・・・
ここには余計なルールがあまり存在せず、まさに平和な場所といえるでしょう。
2017.7.15 設計事務所 TIME