河東の家で玄関ドアが新調されました。
密集するまちなか、家と家の隙間の奥にその入口はあります。
昨年リノベーションした右側の家に新調されたのは
ドアのまわりは新旧の波板によるパッチワーク、
このドアが新調されたことで、
ただのあばら屋がアーティステックな表情を現してきました。
ラワンベニヤという安い材料に対し、
レバーハンドルにはシンプルながら本物の質感を求めています。
日々、生活のオンとオフの接点となるこの部分には、
さりげなくもこだわりを貫いています。
玄関ドアを開けたところ。
機能的な要望によるポストやドアガードも汎用品の中から
できるだけ邪魔にならないデザインのもので合わせています。
決してビンテージにまでのめり込まず
しかし、茶道のようなバランス感覚をもって
同時代の汎用品を組み合わせて品格を高める。
建主との共同作業によって生み出されたこのドア、
取るに足らないはずのものに命が吹き込まれました。
2018.6.18 設計事務所 TIME