大内御堀の家(第3期)

大神の家2 スタディ模型

大神の家2、
これが3案目のスタディ模型です。
 
26坪のコンパクトな家ですが
敷地向こうに広がる田園風景を望むための大きな開口を開き、
広がりの感じられるおおらかな居住空間に仕立てていきます。
 
 
 
 
 
室内の断面構成
1階に主要な部屋、2階に将来の子供室にも使えるセカンドリビング、
それらが吹抜けでつながる構成になっています。
 
 
 
 
 
上からの見下ろし
吹抜けのまわりにセカンドリビングやロフトがあり
ぐるっと一周できる回廊状の空間になっています。
 
1、2階の親密感とそれぞれの場所の個性のバランスを
平面寸法や断面構成、天井高さなどを変えながら
さらにスタディしていきます。
 
 
 

大神の家2、地盤調査

雪の散らつく中、
新たなプロジェクトの地盤調査を行いました。
敷地奥は4mほどの擁壁、その下に川が流れるロケーションです。
 
設計はまだ始まったところですが、擁壁近くの地盤の状態が気になるため
事前に地盤のデータを確認してから建物の配置と平面形状を調整する予定です。
 
地盤の状況はさておき、
川向こうに広がるのどかな風景はこの家の最大の武器になりそうです。
 
 
 

臼杵の家、配筋検査

臼杵の家の配筋検査に行ってきました。
家の横幅(写真では奥行き)が18m、基礎高さはGL+550ミリあるため
基礎だけですごい存在感です。
 
 
 
 
 
 
基礎端部のハンチ部分
通常の2倍ほどのボリュームなので、鉄筋量も多めです。
 
鉄筋の径、かぶり、間隔、定着長さなどを一通りチェックし、
設備配管との取り合いや開口補強などを監督さんと打合せ。
 
 
 
 
 
 
べた基礎中央部分のハンチ部分
縦横にハンチが入っているので鉄筋組もかなり手間がかかっています。
 
今回は土間がそのまま床になるので基礎の立ち上がりがなく
その分、地盤からの反力を基礎のハンチ部分で受けています。
 
 
 
 
 
西側道路から見たところ
基礎の高さだけで道路面から90センチ程度もあります。
 
 
 
 
 
 
南側の山並みに開けた中庭部分
この部分の基礎は棟上げしたのちに打ち継ぐため
両側の基礎から差し筋を出してつなぎます。
 
 
 
 
 
 
南側隣地から見た全景
敷地奥にある2階建ての家に比べてもかなりの横幅であることがわかります。
この横幅を生かして、水平ラインを強調した建物となる予定です。
 
 

基礎工事 進行中

臼杵の家の工事状況をさきほど工務店が送ってきてくれました。
ドローンによる空中からの撮影です!
 
土工事が終わり、基礎の砕石工事まで進みました。
それにしても、
住宅の基礎とは思えないような、ちょっと不思議な風景です。
 
 
 
 
 
ワッフル状のボリュームが左右に2つ、
これは、室内空間が中庭を挟んで2棟に分かれているためです。
 
通常の基礎は地面を掘り下げて作りますが
この敷地は川の氾濫が想定されるエリアのため、
できるだけ浸水を避けるために基礎を地面から盛り上げた形にしています。
 
 
 

臼杵の家、工事開始

臼杵の家では、いよいよ土工事が始まりました。
工務店から工事の状況写真を送っていただきました。
 
以前建っていた家が解体された後、長期間放置されていたため
まずは表土をすき取り、敷地全体に根を張った雑草を取り払います。
 
 
 
 
 
 
表土のすき取り後、解体で沈んでいた土地を採石で埋め戻していきます。
 晴天が続いてくれているので、順調に進んでいるようです。
 
 

リノベーション、完了

カピン珈琲のプチリノベーション、すべて完了しました。
 
寝室窓の目隠し格子も取付けられ
既存の木の色に合わせて塗装されて、外観の表情も整えられました。
 
 
 
 
 
格子は奥行きを深くしてあるので
横から見ると中の様子はほとんど見えません。
 
 
 
 
 
寝室内部
ルイスポールセンの照明の色合いがとても印象的です。
 
ベッド背面の壁仕上げは色々と検討されましたが
最終的には壁と同じ白い塗装で合わせることになりました。
 
その結果、リネン類も含め、室内がすべて白で統一されて
照明の明かりの色だけが際立つかたちになり
シンプルで静かななかにも味わいのある空間に仕上がりました。
 
 
 
 
 
正面から見たところ
明かりの色だけが抽象的に存在しています。
 
 
 
 
 
目隠し壁の裏側はクローゼットとレコード棚
 
 
 
 
 
 
レコード棚の一部はDJブースになっています。
 
 
 
 
 
廊下に設けたロフト用のはしご
建主のセレクトしたアメリカ製の頑丈な製品です。
 
 
 
 
 
ロフトからはしごを見下ろしたところ
 
 
 
 
 
小屋裏空間は結構大きかったため
収納スペースとしてたっぷり使えそうです。
 
 
 
 
 
ロフトに新たに設けた木製の突き出し窓
 
建主のこだわりを受けて、
ヒンジやキャッチ錠は真鍮製のビンテージでそろえてあります。
 
 
 
 
 
突き出し窓と小屋梁
 
窓からの光によって古材の梁が艶かしく浮かび上がり
収納スペースにするにはもったいないくらいの
とても味わい深い空間に仕上がっています。
 
 

臼杵の家、地鎮祭

 

 
 
大分県臼杵市で設計した住宅とカフェの地鎮祭が行われました。
雲ひとつない快晴のもと、工事の安全を祈願しました。
 
 
 
 
 
 
家の四隅にあたる箇所を清める神主さん。
こちらでは清めの塩と米を一緒にまかれていました。
時代が変わっても古式の装束で行われる儀式には
独特の厳かな雰囲気が漂います。
 
 
 
 
 

雑草が刈り取られた敷地
 
昨年の夏からスタートした設計は一年を迎え
建主の思いの詰まった中身の濃いデザインになっています。
 
臼杵の歴史が息づくこの場所に新たな拠り所となるべく
これから工事が始まります。
 
 

室積の家、1年検査

 
昨年完成した室積の家にて1年検査を行いました。
 
モルタルと板壁を幾何学的に構成した外観は
1年分の経過で少しずつ表情が変化してきました。
 
 
 
 
 
 
モルタルの壁は雨風にさらされ
フラットな大きな壁に濃淡の模様が定着しつつあります。
 
 
 
 
 
 
板壁のほうも庇のある部分とない部分で色の変化が出始めています。
 
建物は丁寧に扱えば100年以上使うことができます。
当然、その間に色合いや質感は変化していきます。
 
人間が年をとるとともに深みを増していくように
建物も自然の営みに従ってありのままに表情を変え
深みを増していけることを願っています。
 
 
 
 
 
 
2階のキッチン
スチールフレームのキッチンカウンターと構造用合板の棚だけの
むき出しのローコストキッチンですが
暮らす人の個性が加わることで暮らしのリアリティが豊かに現れています。
 
今回、暮らしの中での気づきや使い勝手をお聞きして
木製の玄関引戸への戸当たりの取付や庇の雨だれ処理など
いくつかの調整を行うことになりました。
 
建主のお話をお聞きしなら
1年の経過の中で暮らす人と家が少しずつ溶け合って
暮らしのかたちが定着し始めていることを実感できました。
 
 
 

ヘリテージマネージャー講座、長門編の1

先週の土曜日に行われたHM講座、
今回は長門市の日置地区の旧家と湯本温泉のエリアリノベーションを視察。
 
午前中は日置地区の旧家を視察、
大正末期に建てられた建物でかなり古いですが、
そこに刻まれたデザインや仕事ぶりから
当時つくった人たちの意気込みを感じ取っていきます。
 
まず最初に見学したのは江戸時代から呉服屋を営んでいた中野家本店の別荘。
敷地には事務所、別宅、離れの浴室の3棟が残っています。
写真は道沿いに建つ洋館の事務所です。
 
 
 
 
道に対し、45度に隅切りされた入口部分。
入口上部には一際目を引く丸い庇が突き出しています。
 
丸い庇の幕板部分には同じく円形の装飾がはめ込まれ
日本建築にはなかった新しいデザイン要素が積極的に使われています。
 
 
 
 
 
 
モールディングの窓枠に縦長の窓。
ちなみに窓枠のモールディングは石ではなく、木を加工して作られています。
窓の桟割りも複雑で、かなり練りこんでデザインされたことが感じられます。
 
 
 
 
 
屋根下には稲妻型の軒蛇腹もつけられ
入口の丸いの庇と対をなすデザインとなっています。
 
これら外観の意匠を見るだけでも
当時新たに入ってきた西洋の様式を積極的に取り入れようとした
デザインに対する意気込みが強く感じられます。
 
文化の中心でなかったこの地方にあって
突然現れたこの洋館は大正末期の当時としては
かなり斬新な風景として見えていたことでしょう。