何気ない風景@美術博物館前

 
 
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周南市民ならよく知っているカバの地下道、
その後ろのビルには少し前までソフトバンクの店がありました。
 
店の移転とともにサインが撤去されて昼間は殺風景になりましたが
なぜか夜間照明だけが残っていました。
 
抜け殻に生き物の余韻を残すようなライトアップは
商業的なサインが省かれた分、逆に際立っていて
カバのシルエットとともに、シュールなアートの風景になっています。
 
 

週末連載 台湾24

 
 
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住宅街にひっそりと佇むカフェ
 
 
あせたモルタルのベンチ、スチールサッシュのガラス張り、
さりげなくもほどよいアクセントになっている照明、
この店は間違いない!
 
ということでこちらでコーヒーブレイク。
 
 
 
 
 
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コンクリートの土間に亜鉛メッキ状の模様を描く壁、
テーブルや椅子も風化していくテイストを生かし
オーナーのこだわりが首尾一貫しています。
 
こういう店のコーヒーは基本的にうまいのです。
 
ソウルのカフェでもそうでしたが、
日本以上に若いオーナーたちの感性が生き生きと表現されています。
 
まちの老化が止まらない日本にとってのヒントにもなる
若い文化の力が台北のまちに刺激を与えています。
 
 

 

 

神勝寺 洸庭

神勝寺の境内の裏山を上った先、道路を挟んだ飛び地に姿を現したアートパビリオン名和晃平作 「洸庭」神勝寺の母体である常石造船をイメージする船形の造形が宙に浮いています。その造形は寺院の屋根を連想させながらも宇宙船のようでも … “神勝寺 洸庭” の続きを読む





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神勝寺の境内の裏山を上った先、
道路を挟んだ飛び地に姿を現したアートパビリオン





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名和晃平作 「洸庭」

神勝寺の母体である常石造船をイメージする船形の造形が宙に浮いています。
その造形は寺院の屋根を連想させながらも宇宙船のようでもあります。

船を持ち上げた列柱はプロポーション、質感ともやや唐突ですが
純粋な形態は、建築家というよりアーティストらしい造形感覚です。





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下から見上げたところ

建物全体がサワラのこけら葺きで覆われていて、
その丁寧な仕事ぶりととも、独特の質感を表しています。

実は、パビリオンの最大の見せ場は、この「船」の中にあります。
それはこの地を訪れて味わってみられることをお勧めします。




週末連載 台湾23

 
 
 
 
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集合住宅のバルコニー群
 
バルコニーは建物からはね出して取付けられ
世帯ごとにさまざまなデザインが見られます。
 
構造といい、デザインの多様性といい、
居住者が入居後に自己負担で設置しているものと考えられます。
 
日本のマンションとは違い、
バルコニーの機能、デザインにより自由度があると言えそうです。
(安全性の担保にはやや心配はありますが・・・)
 
 
 
 
 
 
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こちらのバルコニーは菱格子の柱にアーチで南国風
 
 
 
 
 
 
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こちらにも同じデザインが。
 
軽快な金属フレームを素材に使うところは共通ですが
世帯ごとにデザインにさまざまな工夫が見られます。
 
結果として、
さりげなく多様なファサードがまち並みを彩ることになり
日本の金太郎飴のようなマンション風景とは違う楽しさが現れています。
 
 

岡山芸術交流7

 
 
 
 
 
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夕暮れの街角に現れた巨大アート
マイケル・グレイク=マーティンの「信号所」
 
蛍光灯の電球がポップな色合いで描かれ、
スケールアウトした大きさが常識を揺さぶって、街を刺激的な場所に変えています。
 
 
実際の街灯と響き合うように映るアートの電灯、
何気ない夕暮れをワクワクさせるスパイスです。
 
 
 
 
 
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隣にはこれもカラフルに彩られたタワー
リアム・ギリックの「Faceted Development」
 
 
今回、まちや地域の文化財にも展開したアートイベント、
窮屈な美術館のハコを飛び出して、より自由な表現を獲得し、
まちにさまざまな刺激を与えているようです。
 
ヨーロッパでは公共の場は屋内、屋外の境を越えて市民に開かれていますが
このイベントでは、アートの力によって様々な境を越えて、
まちを生き生きとした場に変容させています。
 
まさに、まちを活性化させた貴重な機会だったと言えるでしょう。
 
 
 
 
 

岡山芸術交流6

 
 
 
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岡山芸術交流、最後にスポットへ
こちらも前川國男設計による林原美術館。
 
なお、この門は岡山城二の丸にあった長屋門を移築したもの。
この地の歴史や文脈を意識した街並みの形成を図っています。
 
 
 
 
 
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長屋門をくぐると道が斜めに折れ、その先の階段に視線が誘われます。
緩やかな階段を上ったところに低く抑えられた美術館の入口が見えてきます。
 
単純な構成ですが、大胆に場面を展開しながら
躍動感のあるアプローチ空間を創り出しています。
 
 
 
 
 
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館内に入って最初に出迎えてくれたのは大きなヤドカリ!
 
なんでヤドカリ・・・?
と、一瞬戸惑うのですが、よく見ると借りている「ヤド」が仮面です(笑)
 
生物とアートが混在してさりげなく違和感が漂っています。
 
 
 
 
 
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次にあらわれた映像作品、
能面にインスピレーションを得た仮面をモチーフにしたもの。
 
憂いを帯びた表情は、物思いに耽る少女を連想させますが・・・
 
 
 
 
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いきなり、瓶を激しく倒し、凶暴な性格に豹変!
 
んっ!
少女の腕が毛むくじゃら!!
 
そう、仮面をかぶっているのは人ではなくサルなんです。
 
サルに仮面をかぶせることで、野蛮な獣と少女が同居する
どうにも整理のつかない、不可思議な感覚が頭の中を駆け巡ります。
 
 
 
 
 
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庭に横たわる女性の彫像
 
こちらも、やばい!
顔が蜂の巣に覆われてしまっています。
 
いやいや、
もしかするともともとただの人間じゃなくて、蜂の巣人間なのかもしれません!
 
 
もはや、人間とそうでないものの境がわからない異次元に入り込んでしまったような、
これまで生きてきた経験を裏切られるような、そんな体験です。
なんとも興味深い。