その先の「豊かな日常」をめざして

2020年もあと数日、
今年は世界中の人々にとって記憶に残る年となるのでしょう。
 
今年の年始に掲げた目標は
この忙しい時代にこそ大切なこころ落ち着く「豊かな日常」や「人と人が豊かにつながること」をめざす、
というものでした。
 
今も続いているコロナ禍は、人々の日常を制限し、
ソーシャルディスタンスで人と人を分散させることを求めています。
 
しかし、このような状況の中でも
日常のすべてが失われたわけではありません。
人と人のつながりが不要になったわけでもありません。
 
時間の余裕で生まれた新鮮な気付き、会えない人への思いなど
当たり前すぎて見過ごしてきたものの大切さに気付かされる機会になったかもしれません。
 
コロナ禍は、現代人のくらしや生き方が生み出してしまった
膿(うみ)をあぶり出す役割をも果たしているのかもしれません。
 
個人主義が当然のようになって、
我々は自分中心に地球が回っているとの勘違いをしていなかったでしょうか?
 
目先の利益に振り回されて、
一分でも一秒でも早く、早くと焦っていなかったでしょうか?
 
それがこのコロナ禍で図らずもブレーキをかけられ
一旦立ち止まって足元を見直す、とても大切な1年になったのではないかと思います。
 
自分中心から少し頭を切り替えて
他人や社会、そして自然のもつ「多様性」を受け入れる柔らかさを
もう一度我々が取り戻すことの必要をこの厄災は示唆しているのかもしれません。
 
おそらく、本当の「豊かな日常」は、その先にこそ現れるのではないか、
私はそう考えています。
 
TIMEはその「豊かな日常」をサポートすべく、住まい、建築、そしてまちに対し
これからも働きかけて参りたいと思います。
 
時代を後戻りさせず、よりよい時代への進化をポジティブにめざしていく、
来年がそんな一年になることを願っています。