本社のサインが破損したため、改めてサインを作り直すことになり
そのデザインを依頼されました。
写真(モンタージュ)はそのデザイン案です。
アルミルーバーによる水平ラインを意識した本社ビルに合わせ
高さを抑えた横長のステンレスプレートが浮遊するようなデザインです。
加工が終わり、現場に運び込まれたサイン
ステンレスプレートの長さは3.4m、厚さ12ミリの無垢板で
プレートの裏側に同じく12ミリのフラットバーの足が溶接されています。
このサイズの一枚板はなかなか在庫がなく、
溶接による歪みも出やすいため製作の難易度が高いということで
思いのほか細かい寸法調整などに苦労しましたが、
なんとか製作にこぎつけました。
ごまかしのきかないシンプルなデザインほど加工は難しいことを
今回の仕事で改めて実感しました。
ステンレス無垢板のサインは100㎏以上の重量があるため
ユニックで釣り上げてセットします。
基礎は元のサインのコンクリート基礎を再利用、
横長のプレートが地面から浮いているイメージを出すため
コンクリートをコア抜きし、サインの足を埋め込むだけで
余計な形を可能な限りそぎ落とし、目立たないようにします。
まず、コア抜きした部分に残る不要な鉄筋をガス切断
コア穴が整ったところでサイン本体を据え付け
レベルや傾きを慎重にチェックしながら調整
地面から浮かす高さを基礎の状況を見ながら設定
モルタルを充填して据付完了です。
サインの長さは車の進入路との関係で当初の案よりやや短くなり
プロポーションが少し変わっています。
それでも、後ろにある建物のルーバーと水平ラインが共鳴し
一体感のあるデザインになっています。
基礎のモルタルが完全に乾いたら養生シートをはがし
ロゴサインを貼って仕上がりです。