高野山真言宗の総本山、金剛峯寺
表門へのアプローチはとても穏やかで
太鼓橋の円弧は浅く、階段の勾配もとても緩くつくられています。
威厳よりも寛大さがにじみ出るようなこの空間は
すべての衆生を受け止める空海の哲学をそのまま表しているようです。
境内東側にある会下門の手前からの見たアプローチ見返し。
掃き清められた地面に朝日が落とす杉木立の淡い影。
実に清らかな時空間がただよっています。
杉木立に囲まれた境内は、逆に土の地面が広がるのみ。
入母屋の重厚な寺院に対し、かぎりなく「無」に近い余白が広がっていて
何もないはずのこの空間に、何故かこころをやすらかにする力を感じます。
2017.9.22 設計事務所 TIME