金色の鈴を束ねた長さ10mの作品
オリエント美術館に展示されたオブジェは床から数ミリ離れていて
上から吊るされていることに気づきます。
改めて研ぎ澄まされた繊細さを感じます。
見上げるとこの美術館の中央を貫く吹抜け空間の中心に合わせてあり
重厚なコンクリートの空間と繊細な金属の鈴が一体となった空間になっています。
美術館の2階から吹抜けを見たところ
岡田新一の設計による美術館は古代オリエント美術を展示しており
外部とは遮断された閉鎖性の高い建築空間です。
中央の吹抜け空間は幾何学的な洞窟のような空間に
天窓からの光が表情豊かな陰影を作り出しており
改めて、並々ならぬ情熱をかけてデザインしたことがわかります。
後楽園の観騎亭
江戸時代、藩主がこの場所で家臣の乗馬の上達ぶりを眺めたそうです。
日頃は非公開ですが、今回の芸術祭の会場として
建物も公開されていました。
寄棟の小屋組が現しになった天井の下は実に開放的な空間で
内外がつながる日本建築特有のとても気持ちのいい空間です。
作品は機械じかけで円状に砂紋が描かれるもので
小さなモーター音と砂を引きずる音がたえず繰り返し
時間の永遠性と形の一過性が同時に感じられます。
後楽園に来たなら、やはり流店を見ないわけにはいきません。
旭川から引いた水は巧みにデザインされた水路によって
この建物の内外を巡っています。
建物の中を貫く水の流れと飛び石
作られた時代は古いものの、空間デザインは実に独創的で
その斬新さは現代アートに引けを取りません。
外観も驚くほどの軽やかさです。
特に1階はほとんど壁のない透ける空間で
デザインの面でもとても刺激になる建築です。
よく手入れされた庭園と秋の空
アートと自然はとても相性が良く
日常ではなかなか味わうことのできない心地よい時間を与えてくれます。