10年という時間

 
今も鮮明に思い出される津波の光景、
あの日を境に日本人の防災意識は高まりました。
 
しかし、あれから10年、
あの日の防災意識をキープできているでしょうか?
(まさに自分にも問いかけ直しているところです)
 
この間に地震や台風、集中豪雨など
日本各地で大きな被害は続き、今は感染症に悩まされています。
 
「まさか、こんなことになるとは・・・」
 
「こんなことは初めて」
 
被災した人たちのインタビューでたびたび聞かれるこの言葉、
日常が平安であればあるほど、自然は不意をついてきます。
 
「天災は忘れた頃にやってくる」
 
物理学者、寺田寅彦が発したと言われるこの言葉があります。
人間は忘れやすい生き物で、時に慢心すらしてしまいます。
 
「世の中が安全になればなるほど、人間の危機意識は弱まるのか?」
 
毎年、高専の授業で学生たちに語りかける命題です。
 
安全や防災は意識し続ける努力をしないと「愛する人」さえ守れないかもしれない。
それは、「平和」と少し似ている気がします。
 
 

2021.3.11 設計事務所 TIME