寛容さと豊かさ

2016年もまもなく終わり、また新しい年を迎えます。

今年は昨年から続いてきたプロジェクトの多くが完成し、次のチャレンジへ向かっています。

ホテルサンルート徳山のレストランリニューアルでは、ローコストながらホテルレストランのイメージを変える方向性を提案。下松中央町の家では、既存住宅街での建替えという街並みのリフォームをデザインで模索しました。野村の家では、小さくとも豊かさを感じる家への挑戦でした。また上遠石の家では、小さなリフォームでもくらしを豊かにできる手応えを得ました。

進行中のプロジェクトは新築の1件を除き、すべてリノベーションやリフォーム、町屋再生など、古いものを現代に生かし、社会を豊かにしていくためのチャレンジです。これからも今あるものを次代にどう生かしていくかの模索を続けていくことになると思います。

大津島では、昨年完成した石柱庵を使って内田鋼一さんの個展が行われ、島での今後のプロジェクトの基礎づくりが始まりました。また来年の3月にはイベントを開催する予定です。

昨年の終わりに「社会の焦り」について触れましたが、世界を取り巻く状況はまだその焦りを解消できるだけの余裕を取り戻してはいないようです。個人の焦りは、「寛容さ」のバランスを崩して、孤立へと向かってしまいます。

TIMEでは、社会が抱える問題に正面から向き合い、人と人が豊かに暮らすための環境やきっかけとしての建築の模索に引き続き取り組んで参りたいと思います。

来る年が少しでも余裕のある良い一年になりますよう、頑張っていく所存です

2017年もどうぞよろしくお願いします。

 

2016.12.31 設計事務所 TIME