湯野温浴施設 建方工事

湯野温浴施設では、建て方工事が始まりました。
空に伸びるクレーン車のアーム、周囲に響く乾いた木槌の音。
建築をつくるライブ感があふれていて、何度見てもワクワクします。
 
それと同時に、
模型やパースで検討してきた形や環境とのバランスなど
イメージ通りにできているか、ドキドキする瞬間でもあります。
 
 
 
 
 
 
こちらはカフェも兼ねたロビー空間
 
910ミリピッチで連続する登り梁は
そのまま仕上げとして空間に表情を与えます。
 
 
 
 
 
 
庭に面した軒下空間
2m近く伸びた屋根が室内と庭を緩やかにつなぎます。
 
アプローチとなるこちらの空間でも
25mの奥行き全面に整然と垂木が並び、空間にリズム感を与えます。
 
 
 
 
 
 
今回の建て方では天候が安定していないため
天気予報を睨みながらの工事になりました。
 
この日も午後から雨が降り出したので
現しの木材が雨に濡れないよう急いでシートで覆ってもらいましたが
その白いシートが光を拡散し、なんとも風情ある軒下空間が現れました。
 
 

湯野温浴施設 基礎工事進行中

湯野温浴施設は11月初めから工事がスタート、
来年3月の完成を目指して、急ピッチで工事が進んでいます。
 
中央にそびえる松の大樹をはさんで
左手の既存大浴場はリニューアル工事が進行中、
右手の新築棟はわずかに基礎の型枠が垣間見られます。
 
 
 
 
 
 
新築棟の基礎鉄筋工事
横幅26mの細長い平面に対し、
3.6mグリットで地中梁が組まれて地盤の圧力に対応しています。
 
 
 
 
 
 
貸切風呂の円形浴槽
1.4mの円形を二つ重ね合わせたような浴槽のため
曲面の型枠で正確に型を起こしています。
 
 
 
 
 
 
こちらは軒下に設けられた足湯の型枠
 
設計期間がかなり短かったため、
幅や深さ、軒下の柱との取合いなど、細かい寸法を改めてチェックしなおし
現場にて施工業者と調整しながらひとつひとつ形をまとめてきました。
 
 
 
 
 
 
床のコンクリートが打ち上がったところ
 
デザイン上、基礎はできるだけ低く抑えたいところですが
土砂災害なども想定し、床は地面から30センチ立ち上げ
床下のない土間仕上で、万が一の災害後も修繕の負担が軽減されるよう配慮しています。
 
 
 
 
 
 
円形の浴槽もきれいに打ち上がりました。
 
二つの円形は深さが2段に分かれていて
庭側が全身浴、手前に半身浴ができる形になっています。
 
半露天の庭や空とつながる空間で
ゆったりと過ごせる時間をイメージしています。
 
工事が始まってあっという間の1ヶ月でしたが
来週にはいよいよ骨組みの建て方が始まる予定です。
 
 

左官仕上の打合せ

湯野の温浴施設は工事予算がまとまり
工事内容の詳細を適宜決めていく段階に入りました。
 
今日は貸切風呂の左官仕上について、
長門の福田左官店まで打合せに行ってきました。
 
写真のサンプルは浴室の床に使用を予定しているもので
洗い出しの砂利の大きさや密度、モルタルの濃淡などを確認しています。
 
 
 
 
 
 
こちらが空間イメージ
モノトーンのやや薄暗い空間に天窓から光が降り注ぎ
静謐で繊細な素材感を引き立てるイメージです。
 
 
 
 
 
 
 
こちらはもう一つの浴室に使う予定の人研ぎ仕上のサンプル
 
このサンプルでは黒っぽいガラスが混ぜ合わされていますが
実際には白い珪砂のみで仕上げることを考えています。
 
 
 
 
 
 
こちらが空間イメージです。
 
先ほどの浴室とは対照的な明るく開放的なイメージで
浴槽も丸みのある柔らかいデザインです。
 
このイメージをもとにサンプルを製作し、
工事に向けて調整していきます。
 
 
 

グラントワと内藤廣

水平のプロポーションがとても美しいグラントワの中庭
 
 
 
 
 
 
中心に水盤が配された45m角の中庭は市民に開放された
おおらかでとても気持ちのいい公共空間です。
 
 
 
 
 
 
グラントワのある益田市人口5万ほど、
このような小さな地方都市で
これほど豊かなオープンスペースはなかなか存在しないかもしれません。
 
この豊かな空間をデザインしたのが建築家の内藤廣氏、
昨日、NHKの日曜美術館で、その内藤さんが特集されました。
 
日曜美術館(見逃した方は今度の日曜日、午後8時から再放送あり)
 
 
 
 
 
 
グラントワでは現在、内藤廣氏の展覧会
 
内藤さんがこれまで実現してきたした建物、
そして残念ながら実現されなかった設計案など
膨大な量の図面・スケッチ、そしてリアルな模型とともに
建築に込めた思いに触れることができます。
 
ちなみに、わがまち周南市の徳山駅前図書館も展示されています。
 
 
 
 
 
 
展覧会初日には内藤さんの講演会も開かれ
グラントワを設計したときの経緯や設計のこだわりなどを聴くことができました。
 
展覧会は12月4日(月)まで長期間、開催されています。
 
地方都市でこれほどの規模の展覧会はとても貴重で
しかも建築家自身が設計した建物とともに見学できるのは
なかなかない機会でしょう。
 
建築やまちづくりに興味のある方は
ぜひ見学に行かれることをお薦めします。
 
 
 
 
 
 
そして、こちらはおまけですが・・・
 
グラントワから車で10分ほどのところにある
うどんの自販機コーナー
 
NHKのドキュメント72時間でも放送された
知る人ぞ知るスポットです。
 
 
 
 
 
 
とてもオーソドックスなうどんやそばですが
なぜかホッとするおいしさがじわーっと心に染みます。
 
 
 
 
 
 
無人の休憩スポットは最低限のしつらえしかありませんが
気軽で美味しい食べ物、椅子とテーブル、気持ちいい川沿いの空間という
最強の三点セットが整った穴場スポットです。
 
混み合うほどの賑わいではないけれど
なぜか立ち寄る人の絶えない、
エッセンスのあるコミュニテイスペースです。
 
 
 


 

 

引き続き、減額調整

湯野の温浴施設は、引き続き減額調整を進めています。
今日は、外構の舗装や植栽の内容見直しを行いました。
 
このプロジェクトは温泉施設がメインの機能ですが
広い敷地と湯野の里の環境が一体となる風景がもう一つの主役と捉えています。
 
コストをセーブしつつも、緑豊かで風情のある風景となるよう
試行錯誤を重ねながら調整を図っていきます。
 
 

見積り調整中

湯野の温浴施設は、設計から見積りに進み
減額調整のための作業が始まりました。
 
今日は、木工事や建具・家具などの内容見直しとともに
サンプルを確認しながら、デザインの方向性も調整を図っています。
 
役所の手続きも同時並行で進めており、息つく暇もない状況ですが
工事に向けてまだまだ山場が続きそうです。
 
 

”わざわざ” 行ってきました

長野県東御市の山の上にあるパンと日用品のお店、わざわざ
手作り感のある素朴な看板が迎えてくれます。
 
 
 
 
 
 
 
矢印の奥に山小屋の風情を感じる入口
木の外壁や扉、アプローチの石組など
素人っぽさがありながらも店のコンセプトがちゃんと感じられます。
 
 
 
 
 
 
 
ドアを開けると正面に焼きたてのパンが迎えてくれます。
自家製の窯で焼かれた食パンやカンパーニュ、
おいしいだけじゃなく、体にもよさそうです。
 
 
 
 
 
 
 
手前のカウンターにはスコーンやクッキーも
 
 
 
 
 
 
 
カウンターから折り返すと、
壁一面に食品や雑貨類がびっしりと並んでいます。
 
 
 
 
 
 
 
正面の壁の向こうにはもう一部屋、小さな空間があります。
 
 
 
 
 
 
 
隣の部屋へは2階へ上がる階段の脇をくぐって行くという趣向
コンビニなどの機能的な店では出てこない仕掛けがあり
オーナーがあれこれと試行錯誤しながら
楽しんで店づくりをしたのではないかと想像されます。。
 
 
 
 
 
 
 
隣の部屋にも様々な種類の雑貨が並んでいます。
小さなスペースですが、まるで小宇宙のようで
宝探しをするように、商品との出会いを楽しめます。
 
 
 
 
 
 
 
階段を上がると、屋根裏のような小さな空間
かろうじて人一人が入れる程度の狭い空間ですが
イレギュラーな空間も余すことなく使いこなしています。
 
 
 
 
 
 
 
突き出しのガラス窓
木製枠に縦縞のガラスやストッパー金物など
既製品のアルミサッシュは使わず、手作り感と素朴さを貫いています。
 
 
 
 
 
 
 
床の段差部分
 
実付きの床板の木口を現しにした蹴込み板を
そのまま床の見切りにするという潔さ
 
プロの仕事ではなかなか出てこない処理方法がむしろ新鮮で
一枚一枚、微妙に高さが揃ってないところなども
人間が手作りしたからこその揺らぎが心地よい。
 
 
 
 
 
 
陳列されている素朴でオーガニックな商品たち
 
これらの商品とお店の方向性が一貫していて
ざっくりした空間の中にも調和した世界観が現れています。
 
こんなにローコストで手作り感満載なのに
明確な方向性と軽快な創造性が発揮されていて
プロのデザインでは出てこないようなユニークさに
新鮮な感覚を味わうができました。
 
 

宇部の家 耐震工事進行中

 
宇部の家の耐震工事が始まって1ヶ月あまり
梅雨末期の豪雨もあり、基礎の掘削にてこずっていましたが
ようやくコンクリート基礎を据える段階まで来ました。
 
写真は南側座敷のコーナー部分
ジャッキアップした家の下を手掘りで掘り下げ
コンクリート基礎用の鉄筋を組んだところです。
 
 
 
 
 
 
 
コンクリートを打ち終わったところ
地盤沈下していた建屋はこの基礎でしっかり踏ん張ることで
耐震上も安定した状態になりました。
 
 
 
 
 
 
 
外周まわりの基礎は全周で75m以上もあり、
それをすべて手掘りで作業して行くため、とても時間がかかります。
 
南側の座敷側から西面をまわってようやく建屋の北面まで作業が進んできました。
それでもまだ半分以上残っています。
 
 
 
 
 
 
 
今回、地盤沈下の原因のひとつと考えられるのが屋外排水の建屋への侵入
 
それを食い止めるため、
特に排水状況の悪かった建屋の西側に排水溝も新設、
建屋周囲の排水状況もかなり改善できそうです。
 
工事開始からここまで1ヶ月あまり、
実に手間と時間の掛かる仕事ですが
その分、今後100年の安心につながることを考えれば
案外、コスパやタイパは高いと言えるかも知れません。
 
 

ECRUHOME カーテン打合せ

宇部の家の改修に合わせてカーテンを新調することになりました。
ならばと、ECRUHOMEをおすすめしたところ、快諾いただき
建主と生地の打合せを行いました。
 
 
 
 
 
 
ECRUHOMEの作るカーテンは麻のもつオーガニクな質感と
生地の素材感を生かした自然でやさしい色合いが特徴です。
 
TIMEのデザインするシンプルな空間にとても相性がよく、
空間に心地よい雰囲気を与えてくれます。
 
 
 
 
 
 
室内に差し込む光の透け感や表情など、幾つかのサンプルを確認いただき
バランスのよい生地をセレクトしていただきました。
 
 

模型スタディ

慎重に屋根をはめ込んでいます。
 
インターンシップでお預かりした徳山高専の学生さんに
2週間かけて1/50の模型を製作してもらいました。
横長の建物は50センチ以上で結構なボリューム感です。
 
 
 
 
 
 
室内の家具や浴槽もこのサイズになると細かく作り込むため
なかなか苦労しながらも、コツコツ作ってくれました。
 
 
 
 
 
 
庭側正面の外観
 
開放感いっぱいの開口部がポイントですが
視覚的な開放感を強調するためにガラスを大きく割付けるか、
それとも細かく割付けて、開閉できる窓をたくさん設けるか、悩みどころです。