岡山城、不明門
厳めしい城門の上屋の中にアート作品があるということでまずは拝見。
島袋道浩の映像作品「弓から弓へ」
2台のコントラバスを演奏していますが、右側の弓はなぜか弓矢の弓!
まじめに演奏しているところに、逆にユーモアを感じます。
古来、狩猟や戦争に使われた弓をヒントにバイオリンが生まれたとも言われるそうで
そのことが直裁に表現されています。
この作品が「戰の象徴」でもある城、それも城の文化財が置かれた部屋にあるのが
なんとも示唆的です。
音楽やアートは平和の象徴でもあります。
争う時代から平和な時代に変わった今、この作品を見ることで
改めて平和であることをじわりと感じます。
本丸に設営された仮設足場によるジャングルとその入口
これはリクリット・ティラヴァーニャが手掛けた茶室とその路地。
仮設フレームでつくられた結界、
その林の中を飛び石ならぬ仮設の床材を渡っていくという趣向。
路地の途中に置かれた盆栽
3Dプリンターでつくられてたいわば「フェイク」ですが
「美とは捏造である」という茶道に潜む本質を暗示しているようにも見えてきます。
矩折りの路地を進んだ先にある正方形の茶室
仮設資材やフェイクなど、常識を覆す表現は茶道の精神そのもの、
茶道と現代アートとの親和性を改めて感じます。
2016.12.5 設計事務所 TIME