岡山芸術交流、最後にスポットへ
こちらも前川國男設計による林原美術館。
なお、この門は岡山城二の丸にあった長屋門を移築したもの。
この地の歴史や文脈を意識した街並みの形成を図っています。
長屋門をくぐると道が斜めに折れ、その先の階段に視線が誘われます。
緩やかな階段を上ったところに低く抑えられた美術館の入口が見えてきます。
単純な構成ですが、大胆に場面を展開しながら
躍動感のあるアプローチ空間を創り出しています。
館内に入って最初に出迎えてくれたのは大きなヤドカリ!
なんでヤドカリ・・・?
と、一瞬戸惑うのですが、よく見ると借りている「ヤド」が仮面です(笑)
生物とアートが混在してさりげなく違和感が漂っています。
次にあらわれた映像作品、
能面にインスピレーションを得た仮面をモチーフにしたもの。
憂いを帯びた表情は、物思いに耽る少女を連想させますが・・・
いきなり、瓶を激しく倒し、凶暴な性格に豹変!
んっ!
少女の腕が毛むくじゃら!!
そう、仮面をかぶっているのは人ではなくサルなんです。
サルに仮面をかぶせることで、野蛮な獣と少女が同居する
どうにも整理のつかない、不可思議な感覚が頭の中を駆け巡ります。
庭に横たわる女性の彫像
こちらも、やばい!
顔が蜂の巣に覆われてしまっています。
いやいや、
もしかするともともとただの人間じゃなくて、蜂の巣人間なのかもしれません!
もはや、人間とそうでないものの境がわからない異次元に入り込んでしまったような、
これまで生きてきた経験を裏切られるような、そんな体験です。
なんとも興味深い。
2016.12.6 設計事務所 TIME