黒柿の香合。
銘、遠山と題された図柄には
三つの山の形が重なり合うように表現されています。
非常に様式的に表現されていますが
その背後には、
それとは対照的に黒柿の木目が自然の表情を添えています。
様式的な図柄と自然の表情が小さな茶器に凝縮され
無限の世界を表現しているようです。
シンプルにして、しっかりとした強度を持っています。
ここに存在する日本固有の表現は、決して古びることなく
充分に今日的で、いまだに斬新です。