四熊家住宅 進行状況

江戸時代の建築が残る四熊家住宅、
その長屋門の左側にある既存建屋を改修する今回の工事、
夏の間に屋根、外壁の改修がかなり進みました。
 
主役である長屋門に対し、脇役に徹しながら
主従のバランスや互いの間合いを意識して外観をデザインしています。
 
 
 
 
 
 
改修部分はの屋根は長屋門に合わせて軒を深くすることで
長屋門側から瓦屋根が連なり、調和のとれた外観になっています。
 
 
 
 
 
 
 
改修部分の妻側外観
腰壁は杉の板壁、上部はしっくい仕上で
こちらも長屋門との視覚的な連続性を意識した外観です。
 
 
 
 
 
 
改修部分内部は現代の生活に合わせたシンプルな構成です。
天井は杉板貼り、壁は珪藻土で
内部も長屋門との一貫性を意識した仕上としています。
 
 

四熊家住宅、改修計画

 
まるで江戸時代にタイムスリップしたような風情です。
 
新南陽の土井にある四熊家住宅は
 江戸中期の建物が残る茅葺の母屋と明治期に増築された洋館建ての診療所が
国の登録文化財に登録されています。
 
その他にも、同じ江戸期の建設になる長屋門があり
現在、建主が経営する整体院「見聞堂」として活用されています。
 
 
 
 
 
 
長屋門の西側には広い庭園も残っており
春には満開の桜がこの地域の風景に季節感を与えています。
 
 
 
 
 
 
長屋門(写真右)には戦前に増築された居住部分(写真中央)があります。
この増築部分は建てられた時期の経済的事情のためか
かなり華奢なつくりで、傷みが著しい状態です。
 
このたび、老朽化した増築部分を改修することになり
風格のある長屋門と一体の風景として後世に引き継ぐための
お手伝いをさせていただくことになりました。
 
 
 
 
 
 
改修を行う増築部分
 
見た目にも骨組みの歪んでいるのがわかるほど傷みが激しいため
構造補強も行った上で内外の意匠を整備し直します。
 
 
 
 
 
 
まずは傷んだ部分の解体が行なわれ、古い瓦と外壁を撤去しています。
 
 
 
 
 
 
壁を撤去して骨組が表しになった状態。
現在、細かい部分について建主と打合せを行いながら設計を進めており
その後、本格的な改修工事に進む予定です。