妻側から差し込む光によってほのかに浮かび上がる小屋組
江戸時代、幕府の天領となった高山市で、御用商人として栄えた日下部家。明治8年の大火で一旦焼失し、その後に建てられたのは、江戸期の伝統様式を生かした壮観な造りです。
高山の豪雪から屋根を支える小屋組は格子状に組まれ、赤松の巨木を使った牛梁でしっかりと支えられています。
豪商の財力と飛騨の匠によって生み出された大空間には、うわべの豪華さだけではない確かなプライドを感じられます。
妻側から差し込む光によってほのかに浮かび上がる小屋組
江戸時代、幕府の天領となった高山市で、御用商人として栄えた日下部家。明治8年の大火で一旦焼失し、その後に建てられたのは、江戸期の伝統様式を生かした壮観な造りです。
高山の豪雪から屋根を支える小屋組は格子状に組まれ、赤松の巨木を使った牛梁でしっかりと支えられています。
豪商の財力と飛騨の匠によって生み出された大空間には、うわべの豪華さだけではない確かなプライドを感じられます。
見事なそり具合、まるで日本刀のようなシャープかつ優美な曲線が美しい。 国宝 瑠璃光寺五重塔の屋根改修工事の見学会に行ってきました。70年ぶりとなる令和の大改修では、主に傷んだ屋根の檜皮葺きを葺き替えます。
葺替え前の屋根の写真 茶色い屋根に白く毛羽立ったように見えるのは、檜皮を留めていた竹釘です。檜皮は、樹齢70年以上の生きたヒノキの表面にある樹皮を剥ぎ取ったものでとても貴重なもの。檜皮葺きの寿命は本来25〜30年とのことなので、すでに耐用年数をかなり過ぎており、写真のような状況になるのも無理はありません。
葺替えが終わった最上層の屋根 優美なそりを見せる3次曲面は、自然のままの檜皮を数十万枚重ね合わせ、人間の手仕事によって作り出したものです。
葺替えられた屋根を近くから見たところ。 ランダムにうねる檜皮の表面はまるでざらついた動物の皮膚のようですが、一枚一枚の重ねしろは4分(約12ミリ)にそろえられており、一つの大きな屋根としてみたときにはとてもなめらかで美しい表情となるのです。
ひとつとして同じものがない自然物である樹皮を巧みに組み合わせ、全体として美しい屋根を生み出す、途方もないような匠の技です。それは、最先端のデジタル技術でもなし得ない、自然と人間の協奏曲です。
日本人の培ってきた美意識と技術の奥深さを目の当たりにして、身震いがする思いです。
縁あって、見せていただいた住宅の現場。 つくっているのは、錦帯橋の架け替えを手がけた海老崎棟梁。 ローコストと言いながらも、しっかりとした骨組みです。(接合部に注目 … “100年単位で考える” の続きを読む
縁あって、見せていただいた住宅の現場。
つくっているのは、錦帯橋の架け替えを手がけた海老崎棟梁。
ローコストと言いながらも、しっかりとした骨組みです。(接合部に注目)
法律では、住宅の骨組みに10年保証が義務付けられていますが
「そんなもん、瞬きみたいなもんですよ」と棟梁。
そこには、100年単位でものづくりをする技と哲学がありました。
木目の表情が豊かです。 このブログでも時々登場する大工の有井さん、 築30年の住宅の床をリフォームするというので現場を拝見。 掘り出し物の杉材を見つけ … “上物” の続きを読む
木目の表情が豊かです。
このブログでも時々登場する大工の有井さん、
築30年の住宅の床をリフォームするというので現場を拝見。
掘り出し物の杉材を見つけたとのこと、
小国産の杉は、油ののった松のような表情です。
目も詰まっていて、長持ちもしそうなこの杉は
魚で言えば、トロのような上物です。
賀茂神社本殿、側面のデザイン。 &nb … “デザイン@賀茂神社” の続きを読む
賀茂神社本殿、側面のデザイン。
右角の柱とその上の梁は平面上ずれていて
それを複雑な組み物で調整して力を伝達しています。
大事な本殿を風雨から守りたくて,
少しでも軒を深くするためにずらしたのか?
定かではないですが、
マニュアルにはないオリジナルデザインです。
神社なんてどこも同じと思いきや、なかなか、大工の知恵と業が光ります。
とは言え、ちょっとマニアックではありますが・・・
ただいま、検査中。 &n … “木造のこだわり” の続きを読む
ただいま、検査中。
大工の有井さんが神社の鐘楼をつくり直したというので
完成した鐘楼の耐震検査を見学させてもらいました。
建物の硬さや粘りが判断できるソフトを使って
X,Y軸の水平方向、床の上下振動を計測。
これで、固有周期を割り出し、構造の安全性を確認します。
金物を使わず、木組みを生かした構造が、有井さんのこだわり。
古い小屋組と新しくなった胴部分の新旧の組合せで
これからも大切な鐘をずっと守っていきます。