見学会@湯野温泉

山口県建築士会の女性部会主催により
湯や晴ル音とリニューアルされた紫水園の見学会が行われました。
 
梅雨入り前の晴天に恵まれ、
湯や晴ル音の開放的な空間と庭と連続する湯野の風景を
しっかりと満喫していただきました。
 
 
 
 
 
 
隣接する温泉旅館紫水園では、ロビーと客室のリニューアルが行われ
設計を担当したNONO-Fleur Designの坂根さんから解説いただきました。
 
時代の変化やコロナ禍により停滞していた湯野温泉ですが
少しずつ新しい息吹が生まれつつあります。
 
 

時の建築

地域NEWS号外NETというサイトに「湯や 晴ル音」の記事が出ていました。
(写真は改修前の閉鎖した旧湯野荘)
 
記事では、リニューアルされた施設やカフェメニューの紹介などとともに
足湯カフェでの体験がレポートされています。
 
その中に次のようなコメントがありました。
 
 
 「ゆったりと時が流れ、思わず時間を忘れてしまいます」
 
 「足湯だけでしたが、すごくリフレッシュできました」
 
 
まさに、自分がデザインしたかったことを
記者の方が実感してくれていたのが、とてもありがたい思いです。
 
今回、設計にあたってこだわったのが、
湯野という地がもっているおだやかな環境に溶け込むこと、
そして、その環境でゆったりとすごせる時間をデザインすること。
 
一般的に建築は空間をデザインするものと思われていますが
私にとっては、そこで体験する時間や体験から生まれる記憶を
デザインすることでもあります。
 
湯や 晴レ音 は 「時の建築」 でもあるのです。
 
 

湯や 晴ル音 オープン

 
 
湯野の温浴施設「湯や 晴ル音」が4月1日にオープンしました。
すでに、貸切風呂やサウナは早々と予約が入っているそうです。
 
昨日はお湯を出す吐水口のパーツが外れたと連絡があり
早速メンテナンスに行ってきました。
 
写真は夕暮れの貸切風呂「つぼつぼ」
昼の時間に自然の風や鳥のさえづりを聴きながらの入浴もよし、
また、夕暮れや日暮れてからは、星空を眺めながらの静かな時間もまたよしです。
 
 
 
 
 
 
この週末は桜が満開を迎えて、花見も楽しめるよい雰囲気になりそうです。
 
今回は建物を脇役に、庭を主役にすることをテーマに
既存樹木を残し、新たに桜やモミジ、様々な広葉樹で季節感を加えて
湯野の環境との一体感を図ることに注力しました。
 
こちらも日中はおだやかな庭と湯野の山並みを眺めながらの花見が楽しめるし、
日暮れてからは、ライトアップされる夜桜も風情があります。
 
 
 
 

湯野温浴施設 オープニングセレモニー

昨日の激しい雨も上がり、
晴れやかな空の下、オープニングセレモニーが行われました。
 
 
 
 
 
 
藤井市長も駆けつけて、
湯野の新たな交流の場が完成したことを祝福されました。
 
 
 
 
 
 
オープニングのテープカット
湯野温泉の理事長を中心に来賓の方々によるテープカットが行われ
新施設のお披露目です。
 
 
 
 
 
 
施設の新たな名称も発表され
「湯や 晴ル音」と命名されました。
 
明日明後日、関係者のお披露目を経て4月1日より、正式オープンします。
 
湯野でも、いよいよ桜の開花を迎え
来週には敷地内の桜も満開となるでしょう。
 
足湯につかりながら、オリジナルドリンクやかき氷を味わい
新たな貸切風呂やサウナでゆったりとした時間を過ごすひとときなど。
 
ぜひ、ご家族やお友達と新しい湯野の春を味わいにお越しください。
 
詳しくは 湯や  晴ル音 のホームページまで
 
 
 

湯野の温浴施設 耐震調査

湯野の温浴施設では、工事が概ね終わり
最後に完成した建物の耐震調査を行いました。
 
構造設計をお願いしたグリーンデザインオフィスの岩田さんに
完成後の建物が計算通りの性能を有しているか、調査していただきました。
 
柱と梁の接合部の上(脚立の上方)で
柱の脇に置かれている小さな四角い箱上のものが計測器です。
 
この装置で建物の微細な振動を計測することで建物の固有周期がわかります。
固有周期とは建物の固さ、すなわち地震での揺れにくさの目安になるものです。
 
 
 
 
 
 
計測器で測定された微細な振動はパソコンの画面に波形で表示され
右側には建物の固有周期のグラフが示されています。
 
今回の計測結果は建物の長辺方向、短辺方向共に0.1秒で
十分な固さを保持し、なおかつ長辺、短辺とも固さが均等で
構造的なバランスが良いことも確認できました。
 
 
 
 
 
 
最後に建物が建っている土地の固さを測定。
地盤の固さも地震の際、建物の揺れに大きく影響するため
建物の固さと共に地震の揺れにくさを判断するための重要なデータとなります。
 
測定結果は、建物と同じく0.1秒で安定した地盤であることが確認できました。
 
日本列島は地震の活動期に入っているとも言われますが
それは山口県も決して例外ではなく、
県内には震度6強の地震を引き起こす可能性のある活断層がいくつもあります。
 
大切な人命や財産を守るために
このような調査によって客観的な耐震性を確認し
必要に応じて耐震性を高めていくことを重要で
少なくとも自身で関われる仕事では今後も実践していきたいと思います。
 
 
 

工事、進む

駐車場の舗装が完了し、造園工事もほぼ仕上がってきました。
 
一昨日の消防検査、昨日の完了検査を無事終えて
引き渡しに向けて、残工事や手直しの調整を進めていきます。
 
 
 
 
 
 
カフェスペースのペンダント照明
写真では整然と並んだ粒状の光がきれいですが
灯数がやや多いかどうか・・・
改めて夜間のライトアップで調整していきます。
 
 
 
 
 
 
庭と一体になる開放的な貸切風呂
完了検査に合わせて、初めて温泉の湯を張りました。
 
年末年始にかけて、鬼のようなスケジュールで進めた工事ですが
職人さんたちのご苦労がようやく形になりました。
 
 
 
 
 
 
もう一つは北向きの貸切風呂
こちらは、静寂と陰影をテーマにした渋い風情が現れています。
 
 

外構工事

今週はじめから屋外の植栽工事が始まりました。
 
1000坪ほどもある広い敷地ですが
この場所が周囲の風景と違和感なくつながっていくように
庭だけでなく、駐車場部分も含め、可能な限り緑を配していきます。
 
 
 
 
 
 
 
道路との境になる部分は緑による柔らかな境界となるよう植樹を行い
道路からも施設側からも緑に包まれる環境に整えています。
 
 
 
 
 
 
アプローチ右脇の小さな丘、
その中心に枝垂れ桜が植えられました。
 
敷地奥の松のシンボルツリーと枝垂れ桜が調和するよう
慎重に配置を決めました。
 
現在はまだ小さなつぼみの状態ですが
3月末のオープンの頃には美しく咲いて
お客さんを出迎えてくれることを期待しています。
 
 
 
 
 
 
小さな丘の地面には一面に芝を植え込んでいます。
 
大浴場と新築棟の間にできた屋外空間全体がここを訪れた人にとって
のんびり、ゆったり過ごすことのできる庭になることをめざします。
 
 
 
 
 
新築棟から既存の大浴場を見たところ
 
こちらの建物は小規模の改修のため、外壁は古いまま。
その外壁をカモフラージュするように
モミジ、カイノキ、ヤマボウシなどを配して修景していきます。
 
 
 
 
 
 
新築棟、サウナの外庭
 
水風呂の脇に植えられるのはカクレミノ。
和にも洋にも調和する木を造園屋さんに選んでもらいました。
 
 
 
 
 
 
1週間があっという間に過ぎて
昨日は駐車場のアスファルト舗装が行われ、駐車場も形になってきました。
 
完了検査まであと5日
内部も外部も鬼のような勢いで工事が進んでいます。
 
 

仕上工事 進行中

工事業者の車で大混雑の駐車場
 
3月に入り、完了検査まであと2週間、
内装仕上、電気・設備、外構工事など、あらゆる工事が同時進行で進んでいます。
 
 
 
 
 
 
北向きの貸切風呂は浴槽のモザイクタイルが仕上がり
漆黒の室内にガラスタイルがキラリと光り
瞑想空間のような雰囲気が高まってきました。
 
 
 
 
 
 
西向きの貸切風呂では庭を囲う板塀の工事が進んでいます。
脱衣室から浴室、庭、そして遠方の山並みへと視線が抜けていきます。
 
 
 
 
 
 
外構のアプローチ部分では
コンクリート舗装の割付やスロープとの取合いなど
造園業者と具体的な形状や寸法などの打合せを行いました。
 
 
 
 
 
 
敷地内を横断する水路からの見返し
軒下空間を活用した足湯の仕上工事が始まりました。
足湯につかり、庭や周囲の自然を感じながらくつろげる場になる予定です。
 
 
 
 
 
 
敷地のまわりでは梅が満開を迎えています。
 
これからの2週間で、現場は一気に姿が変わっていきます。
桜の咲く頃には、施設も見頃を迎えているはずです。
 
 

まもなく佳境へ

ぐずついた天気の合間をぬって
湯野ではアプローチのスロープ工事が行われています。
 
 
 
 
 
 
手前にカーブする通路は駐車場からのアプローチ。
後方の直線上の通路は大浴場との連絡通路です。
 
アプローチの通路は松の大樹から視点を大きく展開させながら
温浴施設の玄関正面に向かう動線になっています。
 
 
 
 
 
 
通路には高低差があるため、雨や冬場の雪、そして凍結を考慮して
滑り止め効果のある刷毛引き仕上です。
 
通常は仕上面より側面の型枠を高くするので
端部まで刷毛引きの線をきれいに伸ばすのは難しいのですが
無理を承知でお願いしたところ、型枠を変化する仕上レベルに揃えてくれました。
 
おかげで、際まできれいなラインが伸びたすっきりとした表情が出ています。
 
 
 
 
 
 
室内では大工工事が一段落し、塗装工事に進んでいます。
しっくい塗料が塗られた室内には明るく開放的な雰囲気が出てきました。
 
 
 
 
 
 
手前では建具枠周りのモルタル詰め作業、
屋外では造園職人による造成が同時進行で行われています。
 
完成目標まで残り3週間、
ここから先は日々様々な業者が入り乱れる怒涛の仕上工事に突入していきます。
 
 

パルテノンのオマージュ

道路から見た施設入口の風景
 
手前には既存施設で使われていた太い門柱、
奥に木造の新築棟が斜(はす)に構えて見えています。
 
ギリシャのパルテノン神殿と比べるのはおこがましいですが
あえて角度を振ることで、薄味の建物に立体的な表情を与えています。
 
 
 
 
 
 
 
建物の手前の地面に見える白い線はアプローチとなる通路
緩やかにカーブしながらエントランスの正面に向かっていきます。
 
湯野の温浴施設では、内装の造作工事も後半に入り
来週から外構部分の下地工事に進む予定です。