臼杵の家、内装工事進行中

臼杵の現場も
 
外観はほぼ仕上がっており、現在内部の左官工事が進行中です。
 
 
 
 
 
南側正面からの外観
 
中央の中庭をはさんで
横スリット窓が印象的なダイニングと開口の大きな2階吹き抜けのリビング。
 
 
 
 
 
ダイニングから玄関方向を見たところ
まだ仕上げのしっくいを塗る前段階ですが、夏の日差しもあり
窓の少ない空間の割に明るさは十分です。
 
 
 
 
 
横スリット窓のカウンターの右側にはディスプレイ棚のアルコーブ
壁と同様にしっくいで仕上げてもらいます。
 
 
 
 
 
リビングの開口は防犯上、仮設の板戸で半分が塞がっていますが
しっくい塗装された空間は落ち着きのある明るさです。
 
 
 
 
 
 
窓側からの見返し
 
右奥には小上がりのたたみの間、
その上部は隠れ家のような子供室です。
 
 
 
 
 
 
階段も仕上がり、シンプルな手すりも取付完了しています。
 
 
 
 
 
洗面室と視覚的につながる浴室
 
床、壁ともモルタル仕上げで
蒸し暑い中、左官屋さんが丁寧に仕事をしてくれています。
 
設計に1年半、そして着工から7ヶ月余り。
普通の家であれば、すでに完成していてもおかしくないのですが
建主のこだわりをひとつひとつ確認しながらの家づくりです。
 
この忙しい時代にはありえないようなつくり方かもしれませんが
建主と設計者、そして施工する工務店それぞれが思いを受け止めて
進めることができている、とても稀な家づくりかもしれません。
 
 
 

臼杵の家、仕上工事打合せ

 
 
臼杵の家は外部工事が概ね終わって
内装工事が進んでいます。
 
建て主とお店につける照明の位置や小物などを再確認。
午後からは、工務店や職人さんと
これから始まる左官工事と塗装工事について
細かい納まりや質感などについて打合せを行いました。
 
 
 
 
 
奥に見える水平のスリット窓は
カフェカウンターからのピクチャーウインドウ。
高さを絞り込んで、外の風景を切り取っています。
 
 
 
 
 
店内からピクチャーウインドウを見たところ。
(まだブルーシートで覆われています)
 
カウンター席に腰掛けると、仄暗いお店の中から
象徴的に切り取られた外の景色とつながります。
 
 

臼杵の家、現場打合せ

臼杵の現場に打合せに行ってきました。
 
道路の南側から見ると
水平に伸びる軒先の陰影がとても印象的な外観になっています。
 
 
 
 
 
道路側から入口を見たところ
 
川の氾濫を想定して高基礎にしてあるため
ここから階段でアプローチするかたちになります。
 
仕上がったばかりの杉板の外壁が目に鮮やかです。
これから経年変化しながら、少しずつ臼杵の古いまち並みになじんで
時間の中で建築とくらしが同時進行で形成されていきます。
 
 
 
 
 
敷地の近所に未来形のような家がありました。
半世紀のちにはおそらくこれくらいの風格が現れるのではないかと期待します。
 
 
 

臼杵の家、足場解体

臼杵の現場では外壁の杉板が仕上がり、足場が撤去されました。
(写真は住想さんから送ってもらったもの)
 
外観は、住宅街のまち並みに違和感なく馴染むように
ボリュームを分割して、何気ないスケール感に落としています。
 
 
外壁の杉板は無塗装で、
時間の経過とともに日光や雨によって風化しながら
臼杵の古いまち並みに馴染んでいくことを目論んでいます。
 
 
 
 
 
道路南側から見た外観
 
建物の表になるこちら側は開口の位置や形をシンプルにすることで
杉板の表情がより際立つようにデザインしています。
 
 
 
 
 
 
軒樋部分のディテール
黒い軒樋に合わせて、樋受け金物も色合わせしてもらいました。
 
細かいことですが、
素材や色数が整理されてとてもすっきりした表情です。
 
 
 
 
 
室内の下地工事も進んでいます。
リビング部分は土間コンクリートの上にスギの厚板を貼って仕上げていきます。
 
 

臼杵の家、外部工事進行中2

臼杵の家、外部工事の確認と内装工事の打合せに行ってきました。
 
外部はかなり工事が進み、
外観のシルエットがはっきりわかるようになりました。
横長の平屋部分と深い軒下が安定感のある姿を生み出しています。
 
 
 
 
 
 
道路側の玄関部分では、
4人がかりで2.2m幅の大きな金属製の庇が取付られました。
 
 
 
 
 
 
カウンター部分に開けられた横長のピクチャーウインドウ
あえて窓高さを絞り込んで。風景を切り取っています。
 
 
 
 
 
 
カウンターに使用する約5mのスギの一枚板。
木目や色合いも渋みがあり、なかなか風格のある一品です。
 
お施主さん立ち会いのもと、風合いや表情を確認し
この板で進めることが決まりました。
 
 
 
 
 
 
ダイニングスペースから玄関を見ると
防湿シートを透かして入ってくる光が拡散して
工事中なのになんだかとても気品が漂う感じになっています。
 
この部分は壁でふさがれるので実際には光は入らないのですが
左脇カウンター部分のスリット窓と背後の掃き出し窓から
やや抑え気味の光を取り入れることにしています。
 
これらの光のまわり込みがどのように空間を色付けてくれるのか
とても楽しみです。
 
 
 

臼杵の家、外部工事進行中

臼杵の家では、屋根や外壁周りの工事が進行中です。
 
遠隔地の工事のため、
頻繁に現地に出向いてチェックすることが難しいのですが
工務店(住想)さんが工事の進行状況を画像で送ってくれるので
細かい部分の納まりやデザインの調整もやりやすく、とても助かります。
 
 
 
 
 
こちらは屋根の換気棟の施工状況
 
軒先から入った空気をここから抜くことによって
夏場の屋根裏の熱気を逃がすことで暑さを抑えることができ、
屋根下地内の結露による骨組みの劣化も防ぐことができます。
 
 
 
 
 
こちらが軒先の通気穴(防虫網付)
垂木と垂木の間の面戸板という部材にひとつひとつ穴を開けるため
結構手間がかかっていますが、丁寧に加工していただいています。
 
 
 
 
 
こちらは中庭の屋根部分
外壁のある部分と部材どうしの取り合い方が少し異なるので
大工さんの意見を監督さんが仲介してラインと電話でやりとりしながら
他の部分と統一感が出るように形状を調整していきます。
 
 

臼杵の家、中間検査

先週になりますが、臼杵の家の中間検査が行われました。
大分県では、一般の木造住宅でも骨組みや耐力壁、小屋組ができた段階で
審査期間の検査が行われるため、立会いに行ってきました。
 
リビング側から中庭を挟んでダイニングキッチン側を見たところ。
壁の筋違いや屋根の小屋組の工事が完了した状態です。
 
 
 
 
 
 
筋違い端部の金物納まり。
柱ごとの必要な強度に合わせて金物で固定されています。
施工もしっかりしてあり、検査も問題なく終了です。
 
 
 
 
 
南東部から見た外観
手前のリビング部分と奥のダイニングキッチン部分が
中庭をはさんで一帯の屋根でつながっています。
 
 
 
 
 
軒下から見るとこんな感じ。
軒裏の架構はそのまま表しにするため、
33センチピッチで垂木が道路まで連続して見えてきます。
 
 
 
 
 
検査の終了後、
大分市内の金属加工工場に、玄関庇の製作状況を確認しに行ってきました。
左の幅広の庇は道路側の正面玄関につけるもの、右は勝手口側のもの。
 
中間に補強のリブがビスで固定されていますが
裏面のビスがやや表面から浮いていたりするところがあり
一枚のフラットな表情に見えるように修正をお願いしました。
 
この庇は仕上に艶消しの黒い塗装を施しますが
アルミの場合、焼き付け塗装がきれいに仕上がるとのことで
まずはサンプルで確認して、全体の質感とのバランスをチェックする予定です。
 
 
 
 
 
 
 
 

臼杵の家、耐震チェック

先週に引き続き、照明や電気の打合せと耐震調査のため
臼杵の現場に行ってきました。
 
耐震調査ではやや大スパンで特殊な架構となるキッチン部分について
設計通りの強度がとれているか、現地で確認を行いました。
 
 
 
 
 
最初にトラス梁の接合部の仕様や部材の留付けの状態など
構造設計の仕様と現場の施工状況を照合。
 
 
 
 
 
仕様の確認が終わったあとは常時微動の測定です。
以前、櫛ヶ浜の家の耐震調査でも使用した測定器で
実物の建物での固有周期を測定します。
 
 
 
 
梁上に載せた測定器の振動がパソコンでデータ化され
建物の固有周期が測定されます。
 
現段階での固有周期は0.16秒で
新築の平屋部分としては良好な数値でした。
(一般的な木造の新築建物は0.1〜0.5秒)
 
 
 
 
最後に柱や梁など、部材のヤング係数も測定してもらい
耐震調査を終えました。
 
今回はやや複雑な架構になっていましたが
実際の測定により、耐震性が実証できました。
 
 
 

臼杵の家 棟上げ

 
先週の土曜日、快晴の中
臼杵の家が無事、棟上げしました。
 
中央の中庭をはさんで、手前は一部2階建、奥は平屋で構成し
全体を屋根でつないで、長さ18mの伸びやかなのプロポーションです。
 
 
 
 
 
道路側からの見返し
中庭も含めると47坪ほどの比較的大きなボリュームですが
できる限り軒の高さを抑えて、周辺のまち並みとの調和を図っています。
 
 
 
 
 
長手方向の梁の接合部は、金物を使わない伝統的な継手です。
手前の列の継手は意匠上の理由で追っかけ大栓継ぎ、
奥の継手は構造強度が特に必要なため、金輪継ぎになっています。
 
 
 
 
 
日も傾いき始めたころ、ようやく棟上げが完了し、
もちまきが行われて、子供からお年寄りまで多くの人が集まりました。
 
ちょっと「密」ではありますが(笑)
地域の方々と無事棟上げができたことをお祝いしました。
 
 

臼杵の家、配筋検査

臼杵の家の配筋検査に行ってきました。
家の横幅(写真では奥行き)が18m、基礎高さはGL+550ミリあるため
基礎だけですごい存在感です。
 
 
 
 
 
 
基礎端部のハンチ部分
通常の2倍ほどのボリュームなので、鉄筋量も多めです。
 
鉄筋の径、かぶり、間隔、定着長さなどを一通りチェックし、
設備配管との取り合いや開口補強などを監督さんと打合せ。
 
 
 
 
 
 
べた基礎中央部分のハンチ部分
縦横にハンチが入っているので鉄筋組もかなり手間がかかっています。
 
今回は土間がそのまま床になるので基礎の立ち上がりがなく
その分、地盤からの反力を基礎のハンチ部分で受けています。
 
 
 
 
 
西側道路から見たところ
基礎の高さだけで道路面から90センチ程度もあります。
 
 
 
 
 
 
南側の山並みに開けた中庭部分
この部分の基礎は棟上げしたのちに打ち継ぐため
両側の基礎から差し筋を出してつなぎます。
 
 
 
 
 
 
南側隣地から見た全景
敷地奥にある2階建ての家に比べてもかなりの横幅であることがわかります。
この横幅を生かして、水平ラインを強調した建物となる予定です。