何気ない風景@山口

衝突する民家、そしてワゴン車!
もしや地殻変動の影響か・・・?
 
ウォーホルの「自動車事故」のような衝撃的なシーンですが
周囲はいたって平穏のまま・・・
 
 
 
 
 
衝突部分(?)のディテールを見ると
軒といはきわどい寸法ですが、ギリギリ納まっている感じ。
 
お気付きの通り、地殻変動ではないようですが
家と家が引っ付いて建つ(しかもこの角度で)というイレギュラーが
このエリアにはまだ日常として存在しうるということが驚きです。
 

何気ない風景@辻の交差点

これは看板建築だろうか・・・?
 
いや、正確に言えば違うのでしょうが
城柵のような看板によって重厚な建物が要塞化。
 
国道2号と315号が交わる県内屈指の渋滞スポットに
しっかりと対峙しています。
 
一方、アナログな平面看板のパッチワークは
社会の要請によって変化を重ねる動的なメディア建築でもあります。
 
 
 

何気ない風景@城ヶ丘の家の非日常

新緑の中庭
 
GWのいつもとは違うゆったりとした時間、
その時間の動きのなかで見えてくる日常のなかの非日常たち
 
 
 
 
 
リビングにも朝日が降り注ぐ
 
 
 
 
 
こちらは夕暮れ近い頃のリビング
徐々に陰影が浮かび上がる
 
 
 
 
 
玄関からの長いリビング
静かな時間
 
 

何気ない風景@小郡

まるで兄弟・・・
 
日本特有の美意識「見立て」の手法を用いて
風景をややナナメから見直してみる「何気ない風景」
 
今回は、小郡の商店街から、
 シルバーの鋼板で覆われた2階建ての四角い建物。
 
元々は切妻、平入りの下駄履き住宅ですが
ある時期にファサード改修されて現在の姿になったようです。
 
左右どちらかの店が改修したのを見て
「これはいい!」と思ってお隣もそれに倣ったのか?
それとも、本当に兄弟店で話し合って外観を揃えたのか・・・?
 
真相は定かではありませんが
となり同士で仲良く同じ衣装を着せられた感じが愛らしくもあります。
 

 

2018.4.20 設計事務所 TIME

 

 

何気ない風景@駅前図書館

床に浮かび上がったチェック模様
 
2月3日にオープンした話題の周南市立駅前図書館、
建築目線で見つけたささやかな風景です。
 
影を落としているのは手すりの竪格子。
細い角鋼をわざわざダブルに組んだ手の込んだつくりです。
 
建築好きでなければまず気がつかない細工ですが
照明効果によって思いがけず、作者の思いが現れました。
 
 
 

何気ない風景@下関のロンドン

道路に沿って連なる建築群
 
HM養成講座で田中絹代ぶんか館に向かう途中、
日本らしからぬ風景に遭遇。
カーブする建物の連続が、まるでリージェント・ストリートのようです。
 
 
 
 
それがコレ、
19世紀、産業革命で活気づくロンドンに都市基盤の一つとして計画され
オスマンによるパリ大改造にも影響を与えたと言われています。
 
 
 
 
しかし、
ここにはさすがに「都市計画」の香りが漂いません。
 
 
 
 
改めて周囲を見ると
この建築群、なんと川の上に建っています。
 
 
 
 
ググってみると、一目瞭然。
ちょうど川の方向が変わるコーナーに建っています。
 
川の流れに身をまかせたゆえのカーブには、
自然に身を委ねる日本的な思想があるのかもしれません。
 
果たして思想が深いのか、それとも深読みしすぎなのか・・・
 
 

何気ない風景@福山本通商店街

早朝のまちなか風景
 
ややくたびれた感じの商店街、
歯抜けになった敷地が奥に二つ連続してできたまちのエアポケットです。
そしてその先に見える白いパラソルは・・・
 
 
 
 
 
その正体はこれ。
 
かつてはまちの中心商店街だった本通、時代の変化でシャッター通りが進行。
昨年、通りのアーケードを撤去し、四季を感じる居心地のよい空間に様変わりしました。
設計は地元の建築家、前田圭介氏
 
 
 
 
 
 
撤去されたアーケードの代わりに7000本のステンレスワイヤーが張られ
夜はライトアップで金色に光ります。
 
おそらく現実的な選択から電柱と電線は地中化せず露出していますが
無数のワイヤーはかすかなフィルターとなり、その風景をマイルドにしています。
 
 
 
庭のような居心地になるとカフェもまちに開かれ、
通りの雰囲気はさらによくなっていきます。
 
 
 
 
おそらく老舗のお茶屋さんですが
通り沿いに整備された緑が店を引き立てています。
 
 
 
朝早くから植栽に水やりをする人がいました。
「大変ですね」声をかけると、「大変だよ」と。
水やりは商店街の決まりなんだそうです。
 
緑は手入れしないとすぐ枯れてしまいます。
生き生きとした状態を保つには常に手入れが欠かせませんが
緑の状態を見れば、みんなが協力して維持しているのがわかります。
 
 
 
 
潤いのある緑、そしてベンチ。
居心地を生み出すための必須アイテムたちが
寂れかけたまちの復活をアシストしています。
 

何気ない風景@櫛ヶ浜の家

工事現場に現れたタレル!
 いや、正確にはタレルっぽい風景です。
 
現在、再生工事中の築95年の町家、
雨よけのために窓を覆っているブルーシートから漏れる光が拡散し、
ほの暗いブルーな空間に変容していました。
 
作為のないところに図らずして現れたジェームズ・タレルでした。
 
 

何気ない風景@虹ケ浜

 
虹ケ浜の現場近くにゴジラが出現!
 
環境美化に関心をもってもらうために表現されたというこのゴジラ、
流木でつくられたその姿はなかなかのクオリティですが
安全を懸念する県の要請を受け、製作者により自主撤去されることに。
 
危険 → 撤去 というのは、異質なものを排除しようとする日本民族のDNAゆえか?
危険 → 安全にする という柔らかい発想ができないところに
活性化しない日本社会の問題の根深さが表れています。
 
危険で景観を阻害する空き家がなかなか撤去されないのとは対照的ですが
期せずして社会の矛盾をついた浜のゴジラ、
「オレはいつでも戻ってくるぜ!」と笑っているようにも見えるのです。
 
 
 
 

 

何気ない風景@美術博物館前

 
 
DSC052615.png
 
周南市民ならよく知っているカバの地下道、
その後ろのビルには少し前までソフトバンクの店がありました。
 
店の移転とともにサインが撤去されて昼間は殺風景になりましたが
なぜか夜間照明だけが残っていました。
 
抜け殻に生き物の余韻を残すようなライトアップは
商業的なサインが省かれた分、逆に際立っていて
カバのシルエットとともに、シュールなアートの風景になっています。