大内御堀の家(第3期)

category:  house
location:   山口県山口市
site area:  300m²
floor area:  18m²
completion: 2020.10

2012年に母屋部分、2013年に倉庫部分をそれぞれリノベーションした住宅での、第3期目のリノベーション。
予算の都合で未改修だった寝室部分を一新し、新たに小屋裏の収納スペースも設えた。既存の寝室は「寒い」、「暗い」、「風通しが悪い」の最悪の環境だった。ご要望により天井を取り払い、小屋裏表しの高天井に天窓を開け、明るく伸びやかな空間に改められた。床下、外壁、屋根には断熱を施し、隣接する和室との間に通風用の出入口を取るなど、室内環境の改善も行った。
通風用の出入口は、建主の望む趣向に基づき、茶室の茶道口に着想を得て火灯口をモチーフにしている。襖は鳥の子紙ではなく、白い空間に対し、差し色となる茜色の柿渋紙の太鼓貼りとした。この開口部は隣接する和室との結界であり、開閉することに非日常性を意識させている。
ベッドとクローゼットの間にはレコード棚兼用のベッドボードを造付け、ベッド側には建主が所有していたルースポールセンのヴィンテージ照明を取付けている。ベッドボードはクローゼット側の視線を遮り、ワンルームでありながら雑多な生活感を感じさせない静謐な空間になっている。その他、小屋裏の大きなスペースを活用し、店舗の備品などを保管できる収納を確保している。