大津島馬島待合所

category:  waiting place
location:   山口県周南市
site area:  1779m²
floor area:  71m²
completion: 2008.3

待合所のリニューアルプロジェクト。

市の整備計画に民間の委員として参画、基本設計をまとめた。
当初、建て替えを前提にした計画だったが、既製品のような薄っぺらな建物では素朴な島の風情にそぐわないと考え、既存の待合所を改修することを主張、整備委員会では議論が紛糾したが、最後は島の長老の「使えるものを壊すのはもったいない」という一言から、改修することが決まった。

計画では、既存待合所にバリアフリーのトイレを増築、内部には小上がりの畳スペースをつくって機能を充実し、海側の開口を出入り可能で解放できる掃出し窓に変更し、敷地のレベル差を利用してウッドデッキを広げている。さらに、屋上に展望できるスペースも加え、船を待つ時間に多様な場を提供している。デザイン的には、島の玄関口でもある待合所のイメージを素朴なまま引き継ぐことを重視し、「デザインを主張しないこと」をポイントに、まとめている。一見、何の変哲もない無名の待合所ながら、なぜかとても居心地が良い、そんな居場所となることを願っている。