小屋場只只 茶小屋
category: inn
location: 山口県周南市
floor area: 9.9m² (annex)
completion: 2005.2
周南市の沖合、瀬戸内海に浮かぶ大津島は、太平洋戦争末期につくられた人間魚雷の訓練基地が残る島である。その一方で、時代から抜け落ちたような素朴な自然の残る島でもある。小屋場只只は、この訓練基地を見下ろす位置にあり、目の前の海に夕日が沈む絶景ポイントに一日一組の宿として計画された。
建物は母屋と離れがあり、その離れを担当した。4畳半ほどの東屋は「茶小屋」と名付けられたが、お茶を飲むほか、露天風呂用の脱衣や夕涼みの場に、また予備の寝室にも利用されるマルチルームである。
自然の中にたたずむ小屋の風情を、人を包み込む壁と天井で表現した。部屋には大小3つの窓があり、夏は吹抜ける風が心地よい。壁と畳の間にはスリットがあり、夜が明けると朝の光が床下から広がる仕掛けになっている。